免疫介在性貧血




 免疫系細胞により赤血球が壊され、貧血が起こる病気です。新しい赤血球を作ってはいるのですが、壊すスピードの方が速いので正常値よりも赤血球が少なくなってしまう状態です。まれに造血の部分まで破壊される場合もあります。
 原因は原因不明、一部の薬物、赤血球に寄生する寄生虫などがあります。
 症状は突発的に起こることが多く、
貧血からの粘膜蒼白、頻脈の他、脾臓の腫大、発熱、血色素尿、不整脈が時に見られます。体の外への出血ではないため低蛋白血症などは起こりません。貧血のために動物は元気がなくなりぐったりします。
 診断は主に血液検査で傷つけられた赤血球を確認することで行います。
 治療は免疫系を抑えて、それ以上の赤血球破壊をくい止めることが中心となります。ステロイド剤や免疫抑制剤を使用し、食欲が無くぐったりしているときには入院・点滴となります。一旦赤血球数が減ると、造血系がフル稼働してもまた赤血球数が回復し始めるまで最低
5日はかかりますので、治療を始めても効果が現れるまでは時間がかかります。時に輸血が必要となります。
 予後は原因にもよりますが、一旦貧血から回復すれば順調なことが多いですが再発の予測は困難です。