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肝細胞で作られた胆汁は胆管を経て胆嚢、そして腸管に送られます。胆管・肝炎群は胆管と周辺の肝細胞に炎症が起こる病気です。大きく3つの段階に分けられます。
1.胆管炎
胆管に炎症が限局されている段階で、無症状です。
最初の原因は不明ですが、細菌感染もしくは免疫的なものが疑われています。
2.胆管肝炎
周辺の肝細胞に炎症が広がった段階で、症状が出てきます。
胆管内とその周囲への炎症細胞の浸潤が特徴ですが、炎症細胞の種類により、
化膿性胆管肝炎:好中球主体で、大腸菌の感染などの関与が疑われる
非化膿性胆管肝炎:リンパ球・形質細胞主体で、免疫的なものが疑われる。化膿性のものが慢性化した可能性もあり。慢性経過をたどりやすい。
に分けられます。
症状は肝不全と炎症を反映しており、食欲・元気の低下、体重減少、嘔吐、脱水、発熱、黄疸などです。経過は急性〜慢性まで様々です。
血液検査では肝酵素の上昇と白血球(好中球)増加が見られます。肝臓の腫大もよく起こります。
鑑別診断は特発性肝リピドーシス、伝染性腹膜炎、肝臓腫瘍、その他肝疾患です。
併発症として間質性膵炎、十二指腸炎、胆嚢炎などを起こすこともあります。胆嚢や総胆管が線維化や狭窄を起こすと胆管閉塞となります。
治療は抗生物質・ステロイド・利胆強肝剤の使用と輸液、栄養・ビタミン補給などを組み合わせて行います。
予後は程度により様々です。
3.胆汁性肝硬変
胆汁の排泄低下から胆汁がうっ滞し、肝組織が線維化します。
肝臓の機能は低下し、腹水や肝性脳症が見られます。犬では肝臓は小さくなりますが、猫の胆汁性肝硬変では肝臓は腫大することが多いです。
肝臓の病変は修復不能なので、支持療法がメインになります。フードは肝臓に負担をかけないものに代えてあげた方がいいでしょう。処方食も出ています。
あとは腹水、肝性脳症、胃潰瘍、凝固障害、感染などに注意してコントロールをしていきます。
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