牛のヒヅメの話


犬に与えていけないもの、というのは結構あるのですが、
その中で、与えるべきではないのに、
ごく普通に店で売っている事がある、というものもあったりします。

特に、しばしば健康的に問題になり、それでもよく売っていることがあるもの、
というのが、「牛のヒヅメ」です。

牛のヒヅメは、けっこう普通に売っていることがよくあり、
その使用目的は、「噛ませて遊ばせる」ことです。
ですが、獣医師から言うと、牛のひづめを犬に与えると、
事故につながる事がしばしばありますので、
牛のヒヅメは、犬には与えるべきではないと思います。

なぜだめかと言えば、「硬すぎて歯が割れる」からです。
噛ませて遊ばせるものは、硬いゴムなど、
適度な弾力があった方が良いのですが、
ヒヅメは弾力が無く、硬すぎるために、しばしば歯が割れてしまいます。


特に多いのが、奥歯でガジガジ噛んでいる時に、
奥歯がパキンと斜め向きに欠けてしまい、歯随が見えてしまうという事故です。

特に、コーギーでよく起こると言われており、
僕の病院でも、過去に歯が割れた子がいました
(歯科の得意な病院に紹介して治療してもらいました)。



噛ませて遊ばせるのであれば、犬用ガムやゴムのおもちゃ(コングなど)のような、
噛ませても問題のないおもちゃを与えるべきですが、
ヒヅメは、困った事に、ごく普通に、
「犬用おもちゃ」として売っているようです。

なぜそんな問題のあるものが普通に売っているかと言えば、
「買う人がいるから」です。
犬にとっていいものだから売っているわけではありません。


もちろん、みんながみんな歯が割れるわけではないですが、
いつ歯が欠けてもおかしくない様なものを、
「噛ませるおもちゃ」として売るのは、
社会的責任から言うと褒められたものではない事だと思います。

牛のヒヅメは、犬には与えてはいけないし、
犬用として売ってもいけないものだと思います。

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