ウサギの臼歯不正咬合

 ウサギさんの臼歯が伸びすぎて、食欲がなくなったということで来院です。
 ウサギの麻酔のリスクを説明した上で、処置をすることになりました。

  麻酔をかけて奥歯を診てみると、奥歯が伸びて頬の粘膜に当たっているのが確認されました。
 

 出っ張ったところをウサギの臼歯用の器具でカットし、その後高速ドリルでカットした周りを削って表面をなめらかにします。
 頬の粘膜に当たっていた部分が、潰瘍になっているのがよく分かります。
 下の歯も、少し伸びていた部分を一部削っておきました。
 ウサギは、歯が一生涯伸び続ける動物です。イネ科の草はとても堅く、草を噛んですりつぶすときには自分の歯もすり減ってしまうからです。
 逆に言うと、牧草などをしっかり与えないと、歯がしっかりと摩耗されず、不正咬合になり、伸びた歯が頬の粘膜や舌を傷つけてしまうことになります。

 一度不正咬合になってしまうと、次からも曲がって生えてくるため、しばしば定期的な処置が必要になってしまいます。

 ペレットだけでは不正咬合のリスクが高くなるため、牧草などもしっかり与える必要があります。好き嫌いができないよう気をつけましょう。


ウサギの臼歯不正咬合 その2


 下の歯の臼歯が鋭く尖っていました。
 舌をかなり刺激しているようで、舌の側面が白くなり、腫れぼったくなっている様子が確認されました。
 

 尖っているところをカット後、けずって表面を丸くしておきました。
 このまま伸びてこなければ良いのですが、噛み合わせが悪いとどうしてもまたしばらくして伸びてきて、再処置が必要になることがしばしばあります。