ウサギの子宮水腫

　　お腹が大きくなって来たというウサギが来院です。
　超音波検査で 液体の入った筒状の構造物が見られました。
　白血球数や血液検査では異常は見られなかったのですが、 子宮の異常を疑い、開腹手術を行うことにしました。

　　麻酔をかけて仰向けにした所です。
　ややお腹が膨満した感じです。
　　ウサギの組織は繊細ですので、細心の注意を払いながらお腹を開けて行きます。
　　開けてすぐ、液体の入った筒状の子宮が目に入って来ました。
　　卵巣・子宮の摘出術を行いますので、血管を結紮して行きます。
　　卵巣・子宮の全体像です。
　液体の入っているのは右子宮の前半分のようです。
　　常法にのっとり閉腹します。
　お腹は少し細くなりました。
　　子宮内部に貯留していた液体の確認を行います。
　貯留していたのは膿ではない液体でしたので、今回は子宮水腫でした。
　　ウサギは子宮関係の病気も多いのですが、今回は子宮の中に液体が溜まる、子宮水腫という病気でした。
　子宮水腫は症状が出にくいため、ある程度溜まって来てから、腹部膨満や、他の臓器の圧迫という形で来院となることが多いです。
　破裂すると、腹膜炎を起こす可能性がありますので、急に腹部が大きくなって来た場合は、肥満だと思わずに診察を受けた方がいいです。