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血尿が続くという中高齢のメスのウサギが病院に診察にやってきました。
超音波では微妙な所見でしたが、臨床症状と治療への反応から子宮腺ガンを疑い、卵巣子宮摘出術を行うことになりました。 |
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開腹し、子宮をつり出してくると、すぐに内部の出血を疑わせる子宮が見られました。
子宮体部には、腫瘍を疑わせるような、ぼこぼことした部位が多数見られます。 |
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破裂している様子はなかったため、常法にのっとり、卵巣と子宮の摘出を行うことにしました。
ウサギの組織は犬猫よりも格段にもろいため、処置の最中にちぎってしまわないよう、細心の注意が必要です。 |
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左右の卵巣の根元を結紮・切断し、子宮間膜を切離すると、子宮のぼこぼことした外観が分かりやすくなりました。
続いて子宮の根元を、きっちりと結紮し、切断します。 |
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切断した場所は、吸収糸でしっかりと閉じておきます。
お腹の中の出血のないことを確認したら、閉腹し、皮膚を縫合します。 |
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すべての手技が終了したら、麻酔を覚ましていきます。 |
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病理検査の結果は「子宮腺ガン」でした。
メスのウサギでは、6才以上で80%以上が発症すると言われる、よく見られる病気です。
ウサギは繁殖力で種の維持を図る戦略を取っている動物ですので、特に繁殖器に負担がかかっているのだと考えられています。
高齢になって子宮腺ガンになってからの手術はリスクも高いですので、繁殖に使わないウサギでは、若いうちに避妊手術をしておくことをお薦めします。 |
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