ウサギのシーリングを用いた避妊手術

 ウサギは組織がもろいので、外科手術には犬猫以上の細心の注意が必要です。
 避妊手術の時には、卵巣と子宮の間で組織がちぎれやすい、というのが怖い部分なのですが、シーリングシステムを用いるようになってからは、手術がより安全に行えるようになりました。
 当院で用いているエンシールという機械は、シーリングと切断をひとつの手順で行うことができ、 血管の閉鎖をしっかりと行うことができます。

 左の卵巣の靭帯と血管をシーリングして切断します。
  左の子宮間血管と組織をシーリングして切断します。
  左側がフリーになりました。
  右の卵巣部分の血管と靭帯をシーリングして切断します。
  右の子宮間血管と組織をシーリングして切断します。
  子宮体部の血管をシーリングして切断します。
  子宮体もそのままシーリングして切断できます。
 卵巣と子宮体の分離・結紮・切断が終了しました。
 ここまで、一滴の出血もありません。
 ウサギのように、もろい組織を持っている動物では、特に有用なシステムであると感じています。
 シールを行った時に、熱が発生しますので、その熱による損傷に気をつけなければいけません。