犬の卵巣腫瘍手術

 尿に血が混ざる?という犬のおなかに超音波を当てたところ、腹腔内の腫瘍らしき塊を発見してしまいました。
 まだ臨床症状は出ていないようですが、今後のことを考え、開腹して取れるようであれば摘出しよう、ということになりました。

 超音波画像です。
 大きさは約6×5cmでした。

 開腹するとすぐ、大きな腫瘍塊が目に飛び込んできました。
 注意深く、外に引き出します。
 外に出して観察すると、子宮とつながっているのが分かりました。
 どうやら、卵巣が腫瘍化して、巨大な塊になってしまっていたようです。
 注意深く、卵巣の根元の血管をしばって分離して行きます。
 なんとか無事に、腫瘍塊を摘出してくることができました。
 子宮も全体的に異常な外観を呈しています。
 反対側の卵巣と、子宮全体を摘出して行きます。
 無事、全ての手技が終わると、腹膜と皮膚を閉じて手術は終わりです。
 幸い、たいした出血も無く、麻酔も落ち着いていました。
 おなかの中の腫瘍は、よほど大きくならなければ症状が出ないので、発見が遅くなることがあります。
 そういう意味では、今回は早期発見、早期治療に結びつけることができたのが幸運でした。
 犬では、生殖器系の病気が多いため、若くて健康なうちに避妊手術をしておくことをお勧めします。