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数日前から食欲がないという子が来院しました。
未避妊で中年なので、陰部も確認したのですが、排膿は見られませんでした。
念のために超音波検査をしたところ、腹部に液体の入った袋状構造が大きく存在していたため、子宮蓄膿症を疑い、麻酔の危険性を説明した上で、開腹手術をしました。 |
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腹部を開けると、腹膜の直下に、重度に膨満した臓器が見られました。
傷つけないように気をつけながら、切開を拡げていきます。 |
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子宮蓄膿症の子宮は、とてももろくなっているため、引っ張って出す、という操作ができません。
下に手を入れて持ち上げて出そうとするのですが、あまりに臓器が大きく簡単には出てこないため、安全策をとって切開を拡げることにしました。 |
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しばらく格闘していると、何とか重度に膨満した臓器を体外に出してくることができました。
上の開放型の症例と見比べると、膿の貯留がとても重度なのが分かります。
子宮はパンパンに張った状態でした。 |
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避妊手術と同様に、卵巣の血管を結紮していきます。
子宮が破裂すると大変ですので、全ての操作に細心の注意を払って行わなければいけません。 |
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左右の卵巣動・静脈を結紮し、切断しました。
後は子宮体部を結紮し、閉腹して終了です。 |
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今回は子宮頚管が閉じていて、膿が外に排出されず溜まる一方、という閉塞型の子宮蓄膿症でした。
閉塞型の時は、急速に、重度に子宮の中に膿が貯留していきますので、敗血症や子宮破裂のリスクがより高い状態となります。
万が一子宮が破裂した場合、重度の腹膜炎、敗血症となり、速やかに死に至る危険性があります。
麻酔の時も、不整脈やショック状態につながる可能性もありますので、とても気を使います。
今回は、幸い、麻酔も無事に覚め、無事退院となりました。
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