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犬の耳が急に膨らんで来たという主訴で来院されました。耳を見てみると、ポッコリと膨らんで大きな血腫ができています。
手術しないときれいに治らなさそうな様子でしたので、手術をして治療することにしました。 |
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耳血腫の部分を内側から見ているところです。
かなり範囲は広いです。 |
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外側からの外観です。こちらからの方が範囲が分かりやすいです。 |
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まずメスで切皮して行きます。切開する部分をメスでなぞり、その後一番下の部分を刺して、そこからたまった血を排出させます。 |
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その後、外科鋏を用いて切開します。 |
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血腫の内腔は、時間が経っていたのでフィブリンが内張しており、そのまま縫ってもくっつきが悪いです。
そのため、ガーゼで丁寧に拭って、フィブリンを取るとともに内腔をきれいな状態にします。 |
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血腫になった部分を緻密に縫い合わせます。皮膚と軟骨をできるだけ広い面積で密着させ、再接着を促すのがポイントです。 |
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傷口は解放したままにしておき、頭の上に固定します。傷の上には抗生物質軟膏を塗り、吸水パッドを当てて、出てくる排液を吸収させます。 |
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上にネットをかぶせ、手技は全て終了です。術後は、自分で引っ掻かないように、エリザベスカラーもしておきます。 |
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術後1ヶ月で抜糸直前の写真です。傷はきれいに塞がり、きれいな状態です。 |
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術後2ヶ月で診せてもらうと、傷はすっかりきれいになっており、耳の外観も以前とほぼ同じでした。 |
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耳血腫は、小さな時はたまっている血を抜けばそれで傷がくっつくこともありますが、大きくなってくると、そのままではくっつかず、放置しておくと、耳の軟骨が変成して、「満願寺トウガラシ」のような、見るも無惨な状態になってしまう可能性があります。
そのため、何回か抜いてもたまってくるようであれば、早めに手術した方が、きれいに治ります。
今回は、かなり大きな血腫でしたが、きれいに治り、飼い主さんにも喜んでいただけてなによりでした。 |
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