フェレットの頭の腫瘍の切除

  フェレットの頭にしこりができたということで来院です。
 診させていただくと、かなり大きくなっており、真ん中は壊死して潰瘍になってきています。
 時間がたつほどに、大きくなり、取りにくくなっていきますので、手術をして切除を行うことにしました。

  麻酔をかけて、毛刈りを行ったところです。
 しこりはかなり大きいです。
 取った後、皮膚を縫い閉じられるかが心配でした。

  メスで周りを切った後、メッツェンバーム鋏で組織を切除・剥離していきます。
 出血は電気メスでコントロールします。
  切除が終わりました。
 周りとの癒着もなかったので、綺麗に取ることができました。
 切除後、皮膚を引っ張ってみると、閉じるだけの余裕はありそうです。
  真ん中側から目の方に皮膚を引っ張ってきておかないと、目が引きつれてしまいますので、皮膚を寄せてくるために、皮下織を前進縫合させておきます。
 これで、引きつれを防止し、皮下のデッドスペースを無くすことができます。
  皮膚を普通に縫合すると、縫合糸が眼瞼にかかってしまいます。
 皮内縫合で、眼瞼に糸がかからないように縫合することにしました。
  皮膚の縫合が終わりました。
 心配していた目のひきつれもなく、切除部位を閉じることができました。
  術後10日です。
 傷を気にしている様子もなく、引きつれもない様子です。
  検査結果は、良性の皮脂腺腫ということで、無事取りきれていました。
 腫瘍は体のいろいろなところにできますが、場所によっては、とった後の縫合が難しい場合があります。
 今回も目の近くに大きなしこりがあったので、縫合に気を使ったのですが、皮内縫合を行うことで、無事、きれいに縫合することができました。