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二週間前から調子が悪そうという犬が来院しました。
吐いてもいるということでお腹のレントゲンを撮ったところ、腸内の異物を疑う像が見られたため、緊急で開腹手術を行うことにしました。 |
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ぱっと見、膀胱内の結石も疑いましたが、超音波で膀胱内の結石ではなく、消化管内の異物であることを確認しました。
胃内には砂のような白い像も見られます。 |
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腹部を毛刈り、消毒したところです。
雄なので、尿道にチューブを入れ、包皮を向こう側に固定しています。 |
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お腹を開けると、すぐに異物の詰まった腸管が見つかりました。 |
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向かって右側が腸の近位側(胃に近い側)です。
近位側には閉塞によって腸内に液体が溜まって太くなっています。 |
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切開する腸の周りに濡らした布を敷き詰めて、内容物が腹腔内に漏れ入らないようにします。 |
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腸の切開は、詰まっているところの少し遠位側で行います。
詰まっている部位の腸管はダメージを受けてもろくなっている可能性があるからです。 |
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切開部位に鉗子を入れて異物をつかむと、すぽっと出てきました。
詰まっていたのは、大きな石でした。 |
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庭にいつもいるということで、そこで遊んでいるうちに石を飲み込んでしまったようです。 |
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腸の切開部位を丁寧に塗った後、生理食塩水を注入し、縫合部位から漏れてこないことを確認します。 |
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今回は二週間前からの閉塞が疑われるということで経過が長かったため、術後のリーク(術部からの漏れ)が心配でした。
健康な部位の腸管を縫合部位にあてがい、漿膜パッチという方法を行っておきました。 |
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腹腔内を生理食塩水で洗浄し、皮膚を縫合して手術は終了です。 |
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術後の経過は順調で、腹膜炎等も起こすことなく、元気になってくれました。
犬では異物による腸閉塞は時折見られますが、基本的に懲りることがないですので、また飲み込んでしまったりしないように注意が必要です。 |
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