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ネコの麻酔は、ほぼ全て、イソフルレンのガス麻酔で導入し、ブトルファノールを追加注射し、イソフルレンで維持するというプロトコルで行っています。
全手術において、麻酔モニタを用いて、呼気中CO2、SpO2、血圧をモニタして行います。
去勢手術は、健康な子を預かり、健康にお返しすることが大切なことですので、若くて健康だからといって、一切、気は抜けません。
すべての手術において、何より大切にしていることは、ひとつひとつの手技をきっちりして、安全に、確実に、丁寧に、手術を行うことです。小動物の組織は繊細ですので、細心の注意を払って手術をしています。
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術前の陰嚢です。
ドレープで術部を覆い、清潔を保ちます。 |
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皮膚と総漿膜を切開します。
皮膚を切開すると、総漿膜という厚い膜があり、その中に精巣が収まっています。
精巣を傷つけないように、慎重に切開して行きます。 |
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精巣を出して来たら、精管と動・静脈を分離し、精管をフリーな状態にします。 |
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分離しておいた精管と動・静脈を使って、互いに結紮します。
ネコ自身の組織同士で結紮を行うため、縫合糸を残しません。 |
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"血だまり"をつくらないよう気をつけながら、結紮を重ねます。
だいたい5~6回結紮します。 |
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結紮が終わったら切断し、慎重に総漿膜の中に結び目を戻します。 |
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総漿膜を吸収糸で縫合します。
ネコの去勢手術のときには、体の内部には縫合糸を残しません。
精巣は2個ありますので、もう片方にも同じ手技を施します。 |
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最後に、皮膚を縫合して手術は終了です。
ネコの去勢手術は、表面も吸収糸で縫合しておきますので、抜糸は必要ありません。 |
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ネコの去勢手術は、手術の難易度からいうと、一番簡単な部類に入ります。
ただ、麻酔をかけて覚ます過程というのは、他の手術と全く一緒ですので、麻酔がしっかり覚めるまでは、気を抜くことはできません。
オスネコは発情シーズンを迎えると、スプレー行動を始めますので、室内で飼う時は特に、去勢をしておかなければ部屋の中がとんでもないことになります。
また、去勢していないオスネコでは、他のネコとけんかをしたり、その結果ウイルス感染症をもらってしまったり、病気になるリスクが高くなりますので、繁殖を考えていないのであれば、去勢手術をしておくことをおすすめします。 |
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