12.裸子植物と恐竜の繁栄(中生代)
1.裸子植物の誕生と繁栄

 シダ植物は一応陸上への進出を果たしましたが、まだ水際でしか繁殖できませんでした。繁殖方法もまだ胞子を用いた原始的なものでした。

 古生代末期の2億9000万年前頃に裸子植物が誕生します。シダ植物よりも水分の取り込み・輸送の能力が進化しており、また繁殖方法も花粉を風により飛ばして授粉し、種子をつくるというものでした。

 種子は乾燥に強く、遠くに移動することが可能です。これにより内陸まで生存範囲を拡げられるようになりました。

 裸子植物はイチョウ・ソテツ・針葉樹などで、花は雄・雌に分かれます。花びらや果実はありません。

2.恐竜の誕生と繁栄


 爬虫類は両生類よりもさらに陸上生活に適した体の構造を持っています。肌は乾燥に耐え、卵も硬い殻に包まれるので陸上に産み、孵化することができます。内陸に進出した裸子植物により食料に困ることもありませんでした。

 恐竜は爬虫類と同じ頃に誕生しますが、爬虫類と違い体温を一定に保つことが出来る恒温動物でした。また現在の爬虫類は足が体の横に配置し、のっしのっしとしか歩けませんが、恐竜は足が骨盤の下にまっすぐ配列する構造を持っていました。

 恐竜は、恒温性以外に、酸素補給を効率よく行うための「気嚢システム」を持ち、その運動能力は高かったと考えられています。
 これは、骨や体腔にある気嚢を拡張・収縮させることにより、吸気時・排気時の両方において、肺で酸素交換することができるシステムです。
 一方、ほ乳類では、酸素の取り込みは、吸入された空気によって肺胞が満たされている間だけです。
 このシステムは、現在のほ乳類の呼吸方法を凌駕しているものであり、そのシステムは現在も鳥の呼吸手段として受け継がれています。

 より大型化する裸子植物と共に恐竜も大型化していきました。大陸中を恐竜が我が物顔で闊歩しました。海の中へも進出していき、空を飛ぶ恐竜も現れました。中生代はまさに恐竜の世紀でした。

3.ほ乳類の誕生

 恐竜とほぼ同時に単弓類(哺乳類型爬虫類)という、体毛を持ち体温調節に優れた種が登場しました。彼らは中生代の初期に絶滅しますが、そこからほ乳類が進化して現れます。子供を産み、乳で育てる新しい繁殖方法を持った生物です。

 恐竜に比べ小さな体しか持たない彼らは恐竜に隠れ細々と暮らしていました。
 恐竜が活動していない夜間に動く、夜行性動物であったと言われています。夜に適応する生活の中で、ほ乳類は優れた目を身につけていき、それと同時に、大脳を発達させていきました。

 体温調節が出来ることは良いことずくめのように見えますが、気温の温暖な時期には変温動物よりも不利な点があります。体温調節のために多大なエネルギーをさく必要があるからです。
 変温動物は体温調節をしない分、成長と繁殖によりたくさんの力を注ぎ込むことが出来ます。温暖な時期には有利でしたが、気温が低下すると活動が低下するということが、やがて寒い時代では不利に働いてくるようになります。

 哺乳類が全盛を迎えるのは寒い時代の到来の後です。

4.鳥類の誕生

 白亜紀には恐竜の中の竜盤目から、鳥の子孫が分かれました。
 最初は、鳥は「羽毛を持った恐竜」として誕生しました。

 最初、羽毛は、飛ぶためではなく、保温のために備わってきたと考えられています。

 次第に羽根が立派になり、坂道を駆け上がったり、木に登るときに役立つようになったものが、羽根の発達と共に、やがて「飛ぶ」という行動のためにも用いられるようになった、というのが鳥が翼を持つに至ったストーリーとして考えられています。

 鳥は、「飛ぶために」翼を持つようになったのではなく、羽根を発達させ、「飛べるようになったから」飛んだのです。
 進化においては、新しい機能は「目的→発達」ではなく、「発達→結果」として備わります。

 最初に別の役に立っていて、まだ新しい機能を果たしてはいないけれども、新しい機能をはたすための準備段階となっている段階が「前適応」の状態です。
 魚類が陸上に進化する前に、まだ歩くには至らないけれど、ひれを水中で四肢のように用いていたという状態も、それと同じ前適応の状態です。

 前適応の状態になり、環境において新しい機能を果たすことが有利であれば、新しい機能が獲得される方向に形態の変化が進み、新しい種が誕生します。
 そして、一旦新しい機能が確立し、飛行という行動に適応するようになると、そこから「よりうまく飛べる形態」がとぎすまされ、空いている生活空間に適応するべく、進化が進んでいきます。

 鳥という、飛ぶことができる動物の誕生の前には、「飛べないけれど、羽根を持った恐竜」が進化していました。
 でも、誤解してはいけないのは、「飛ぶには至らない羽根」であれ、その時点では、その種の生存と存続のためには、有利に働いていたのです。有利だったからこそ、羽根を持っていたのであり、さらに発達していく方向に圧力がかかっていったのです。

 やがて、羽根は翼となり、飛行という行動は鳥の優れた特徴として備わるようになります。
 翼竜の翼に比べ、羽毛は軽くてすみ保温力に優れ、裂傷などのダメージにも強い利点があります。
 鳥はやがて、空の覇者となっていき、現在に至ります。