4.光合成生物の誕生と磁気圏の成立
1.光合成生物の誕生

 今から約32億年前に、それまでと異なる、ある特徴を持った生物が誕生します。
 それは、光を使用することによってエネルギーを作り出す生物です。今までは生命を傷つける存在だった光をエネルギーとして使い、周りに無尽蔵にある二酸化炭素と反応させることにより硫化水素を使うよりも効率的にエネルギーを得られるようになったのです。

 それまでの生命は硫化水素など環境中にある栄養分を分解するだけでしたが、自ら光合成でエネルギーを作り出すことにより、噴出口以外の場所でも生きられるようになりました。

 シアノバクテリアと呼ばれる彼らは、光合成を行う細菌です。登場してしばらくは数が少ないままでしたが、しだいに数を増やしていくと、大量の酸素を放出するようになり、地球の環境と周囲の生命に多大な影響を及ぼしていきます。
 自分でエネルギーを作り出す仕組みを獲得したことにより、生命はより大きなエネルギーを獲得し、細胞を大型化させることが出来るようになります。

2.磁気圏の成立

 約27億年前になり、環境に一つの変化がありました。地球内部のマントル及び核の動きが整い、核の鉄が磁石のように働き始め、磁気を放出し始めました。地球を磁気のバリアが包むようになったのです。
 それまで太陽風により地球まで到達していた生命に有害な荷電粒子(主に陽子・電子)は、磁気圏のバリアに遮られるようになりました。

 このことは、海面近くの光が届く環境でも生命が存在できるようになることを意味します。それまでは、有害な荷電粒子が届く環境では、生物の遺伝子が傷つけられてしまい、生存し、増殖することができなかったからです。
 海面近くの環境の危険性が低下したことによって、光合成を行う生物は、より安全に、より活発に、海面近くで増殖できるようになりました。磁気バリアの誕生により、シアノバクテリアの増殖と地球の酸素濃度の上昇のスピードに拍車がかかっていきます。

 荷電粒子の存在はオーロラの存在でうかがい知ることができます。磁気圏のバリアで進路を曲げられた電子は地球の極地から磁場内に進入します。
 この時進入した電子が大気中の酸素・窒素原子と反応を起こし光を放出しているのがオーロラの正体です。

3.磁場の逆転現象

 地球は今も磁石として働いています。現在北極はS極、南極はN極です。方位磁石を向けてN極が指す方がS極です。地球の地磁気の向きは変化しています。メカニズムは不明ですが、磁気の方向や向きは刻々と変化しているそうです。磁気の向きはこの五百万年で30回程逆転しています。磁気の方向も200年前と比べても7度傾いているそうです。計算ではあと1000〜2000年で今の磁気の向きが逆転するとの説もあります。
 ペルム紀末・三畳紀末・白亜期末の大絶滅の前には、数百万年から1千万年以上に渡って地球磁場は完全に消滅し、大量絶滅が終わった後に逆転した磁場が現れてきているそうです。