インスリノーマ



 インスリノーマとは、膵臓のインスリンを出す細胞が腫瘍化して、過剰なインスリンが体で生産される病気です。インスリンは血糖値を下げるためのホルモンですが、産生過剰により低血糖を引き起こします。

 症状は、低血糖と関連して起こります。
 元気、食欲の低下や慢性的な衰弱、昏睡などの全身状態の悪化の他、意識の低下、異常行動、けいれんなどの神経症状も見られます。

 診断は、
・低血糖に関連した臨床症状
・空腹時の低血糖(60mg/dL以下)
・給餌・グルコース投与による症状の改善
を総合して行います。
 血液検査でインスリンの測定を行い、インスリン過剰(>35μU/mL)、インスリン/血糖値の上昇(>34μU/mg)を確認することも診断の補助となります。
 一方、腫瘍は通常2-5mmの大きさですので、レントゲンや超音波では確認することができません。
 
 治療は内服治療と外科治療があります。
 内服治療では、ステロイドなどの投薬を行い、腫瘍を抑制します。ただ、投薬を行っても腫瘍がなくなる訳ではないため、通常投薬は一生涯必要となります。
 外科的治療はお腹を開けて腫瘍組織を摘出しますが、インスリノーマは発見時には膵臓組織のあちこちに転移している事が多く、目に見えないレベルの大きさの腫瘍も存在するため、完全摘出は困難です。外科手術の目的は、腫瘍の数を減らし、低血糖のコントロールをしやすくする事です。

 低血糖になった時は、血糖値を上げるために、砂糖水やシロップなどを口の粘膜に塗って対処する必要があります。
 根治が難しいため、通常は一生涯投薬をしながらのおつきあいになりますが、投薬に反応が良ければ、症状をコントロールしながら生活を送る事も期待できる病気です。