痛み



痛みの伝導
 侵害受容器で感知された刺激は
Aδ線維細い有髄神経、鋭い痛み)とC線維太い無髄神経、鈍い痛み)を通じて脊髄背角の侵害受容ニューロンに伝えられる。対側腹角部へ交叉し脊髄内を上行する。視床に到達するとそこから大脳皮質へと広がり痛みとして認識される。





痛みの抑制系
脊髄の侵害受容ニューロンを抑制することによりなされる。
1.
視床下部からの抑制路:オピオイド受容体が刺激されておこる。
2.
脳幹の橋からの抑制路:α2アドレナリン受容体が刺激される。
3.
ゲートコントロール:Aβ神経への刺激によりおこる。「さすると楽になる」もの。

痛覚過敏
1.
発痛物質:炎症によりできた発痛物質により侵害受容器の感受性が亢進し閾値が低下する。
2.
軸索反射:痛覚神経の興奮が分岐部で別の痛点に逆流し、そこでサブスタンスPなどを分泌する。
3.
WIND-UP現象:脊髄の侵害受容ニューロンの反応性が増強される。
4.
アロディニア:本来触覚を伝える神経であるAβ線維からの信号を痛いと感じるようになる。
3と4は
C線維の繰り返しの刺激によっておこる。

末梢性発痛物質
 炎症反応で作られた
ブラジキニン、プロスタグランジン、サブスタンスP、ヒスタミン、その他が侵害受容器の感受性を高める。

鎮痛戦略
A)伝導路の遮断
1.プロスタグランジンの産生を抑制 NSAIDs
2.末梢神経の伝導を抑制 局所麻酔薬
3.侵害受容ニューロンの伝達を抑制 ケタミン、NSAIDs
4.大脳での痛み認識の抑制 全身麻酔
B)痛みの抑制系を刺激
1.視床下部からの抑制路 オピオイド
2.脳幹の橋からの抑制路 α2作動薬
3.ゲートコントロール刺激 物理療法

 手術の時、ガス麻酔をかけていたとしても痛点→脊髄神経を通じて脳に伝達された刺激はストックされ、術後の疼痛として表れてきます。
 そのため、手術時には痛いことをする前にオピオイド、NSAIDs、その他により
ペインコントロールを前もって行っておくことが重要です。
 ペインコントロールなしに手術を行うことはありません。

 慢性の痛痛を伴う疾患に置いても、痛みは
QOLを低下させるだけでなく、治癒能力を低下させるため悪影響の方が大きいと言われています。慢性疾患に置いてもペインコントロールは大切であると言えます。