アルファシンドローム




 家族の中で、犬が自分が一番偉く、自分以外の人は自分以下であると勘違いしている状態のことです。
 アルファとは犬の順位社会の中の頂点の個体のことです。

 犬は序列社会を作って生きる動物です。人間社会で犬を飼う場合、人間が上位で犬はその下位となっていなければなりませんが、人間がリーダーにふさわしくない行動を取っていたり、犬の命令に人間が反応していたりしてその順位があべこべになると、犬は勘違いし自分の優位を示すようになります。



 犬は自分が優位であるというシグナルとともに、攻撃前には威嚇をします。
 自分に対する自信がありますので耳や尾はピンと立ち、歯を向いてうなり声をあげます。
 恐怖から攻撃する場合には耳は伏せ尾は垂れています。
 犬に対して人間が優位の行動、例えば好きなものを取り上げたり、好きな場所からどかせる、体を触る、目線を合わせるなどの行動を取るとうなったり噛まれたりします。
 犬の中では人間は召し使いか下っ端にすぎず、噛むことは身の程知らずな下位の個体への制裁ととらえています。

 飼育を通じて人間のリーダーシップを確立できなかったことに問題の根本があります。
 アルファシンドロームに陥った家庭では、犬に主導権を許していたり、犬の要求に対して人間が従っています。
 鳴いたらゴハンをあげる、うなったらゴメンヨと言ってものを譲るなどです。



 また人間より先にゴハンを食べる、肩より高い位置に抱く、一緒に寝る、散歩の時に犬が先導するなどは自分の地位が高いと勘違いする元となります。

 リーダーシップの再確立が必要ですが、急な改善をしようとするのは無理です。
 犬は人間を支配していると思っており、人間が優位を示そうとすることは自分の地位への挑戦と受け取ります。
 急に犬の地位を落とそうとすると、自分の地位を確立させようとする犬によって、飼い主さんがひどいけがを負わされる可能性が非常に高いです。

 ま
ずは一旦いっさい犬にかまわない・声もかけないようにして犬が得られる愛情や社会的なつながりを遮断します。
 そして犬の優位なシグナルを無視し、そういう行動を示した場合に報酬を与えません。
 犬の主導権を認めない、犬の要求に従わないと言うことから始める必要があります。
 そうして次に、自分が人間よりも下だと感じる状況を作ります。
 人間よりも後にゴハンを食べる、居場所は人間よりも下の位置などです。好みのもの・場所はそっとどけておいてください。
 その後、簡単な号令など、人間の言うことに従ったときだけ、ゴハンや愛情が得られるようにします。
 うなったりしたら声もかけず動じずにそのままその場を去ってください。
 ただし、犬が「追い払った」と感じないことが重要です。
 威嚇しているのに人間が動じないと感じることが大切です。
 犬は社会性の強い動物なので、群れから疎外されることは一番辛いことです。
 犬は群れの中にいたいという本能がありますので、
愛情が得られる状況を限定し、人に従っているときだけ愛情が得られ、自分が主張しても無視されるということを家族の中で守る必要があります。

 人間が主導権をもって犬に接することができるようになったら、ずっとそれを継続してください。
 以後も散歩などの時に先に行かせない、犬が命令や威嚇をしても一切無視し、一旦間をあける、なにかを与えるときはまず命令を聞いた後に、など普段の生活の中から注意してください。
 犬は誰が一番偉いかをずっと考えながら生活しています。
 人間がリーダーにふさわしくないと判断されると、犬はまたより上位になろうとしますのでご注意下さい。