治療するのがかわいそうか、治療しないのがかわいそうか


病院に病気の子が来て、診断がついたとき、
そこには、しばしばいくつかの選択肢が出来ます。
しばしばその選択肢は、手術をするか、
それとも手術しないか、というものになります。

症例によっては、しばしば、
手術が第一選択になり、
手術しないと治癒しない可能性のないものもあります。

病名が決まり、治療方針が決まり、
さぁどうしましょうと飼い主さんに尋ねた時、
時折、
「手術するなんてのもかわいそうですし・・」
という言葉が返って来る事があります。

飼い主さんは、たいがいの場合、
なんとかして欲しいと思って連れて来ていると思うので、
治したいのか治したくないのかどっちなんじゃい、
と突っ込みたくなる事もあります。

確かに、麻酔をかけなければ手術は出来ませんので、
その分はリスクや本人の負担にはなります。
痛みも、鎮痛剤を用いてコントロールしますが、
痛みが多少はあるとは思います。

でも、治療して治す方法が手術しかないのであれば、
手術するのがかわいそうと言ってられず、
手術せざるを得ない場合がしばしばです。

何をかわいそうと思うのかというのも人それぞれではありますが、
手術すれば治るものを、手術せず、そのまま亡くなったりしてしまえば、
そちらの方がよほどかわいそうではないかとも思います。

もしかしたら、治療費など、別のところに踏み切れない理由があるのを、
「かわいそう」
という理由で躊躇している事にしているのかもしれませんが。

獣医師には選択権はありませんので、
最善の選択肢を一緒に考えて、時に、
「僕が飼い主であれば、この選択をします。」
と言ってあげるくらいしか出来ませんが、
後で後悔だけはしないよう、最善の選択をして欲しいと願うばかりです。



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