ステロイド、急に止めると危険


病気になって、動物病院に行った時、
診断を受けて薬を処方された場合、
薬の中にステロイドの薬が入っている場合もしばしばあると思います。

一昔前であれば、出された方は、
出されたものを、疑いもせずに飲んでいたのだと思いますが、
今は、出された方も、その薬が何であるのかということに興味を持ち、
ネットや本で調べたりする人も多いかと思います。

その中で、知識が一人歩きしやすいのがステロイドについてです。
ステロイドは炎症を抑えるために、
皮膚炎や外耳炎を含め、炎症性疾患や免疫疾患の場合に処方される事が多いのですが、
最近は、
「ステロイドは怖い薬」
という話を聞いて、ステロイドに対して悪いイメージを持っている人も少なからずいると思います。

僕も、意味もなく、むやみにステロイドを高用量、長い期間出したりするのは好きではないのですが、
それでも、病気の種類によっては、
ステロイドをしっかり飲んでもらわないといけない場合も中にはあります。

そんな時に一番して欲しくない事のひとつは、

飼い主さんが自己判断で薬を勝手に中止してしまう

ということです。

例えば自己免疫性疾患で、免疫抑制のための多めの量で、
ちょっと長めに薬を飲まないといけない、
という場合もあるのですが、
そう言う時に飼い主さんが勝手に止めてしまうと、
ふたつの意味で命が危険にさらされる可能性があります。

ひとつは、病気自体がステロイドに押さえられつつあったのが、
またぶり返してしまうという事です。

もうひとつは、こちらの方がより怖いのですが、
ステロイドを外から供給されていた場合、
突然の休薬によって、体がステロイド枯渇の状態になる可能性です。

外部からステロイドが入った場合、
体の中では、
「ステロイドホルモンがたくさんあるから作らなくて良いよ」
という命令が脳に送られ、体の中でのステロイド産生が抑えられるようになります。

すると、ステロイド産生が低下している状態でいきなりステロイドの内服を止めてしまうと、
体の中でステロイドが作られないし、補給もされないしという状態になって、
一気にステロイドホルモンが足りない状態になってしまう可能性があります。

ステロイドと言うのは、過剰な状態でももちろん副作用は起こるのですが、
それより怖いのは、体の中に足りない状態になる事です。

その状態になると、体は外部のストレスに対応できない状態に陥り、
急死を含め、命の危険にさらされるようになります。

そのため、ステロイドを中程度以上で飲んでいる場合は、
ステロイドを休止して行くにあたって、
徐々に量を下げながら、少しずつ止めて行く必要があります。

急に薬を止める事で命に関わる薬と言うのは、
ステロイドの他、心臓の薬などもそうであったりします。

やたらめったら使うのは考えものではありますが、
勝手な休止というのも、急死につながる危険なものですので、
自分で判断して薬を止めるという事はせず、
獣医師の処方に従い、よく話を聞いた上で、
薬は用いて行って欲しいと思います。


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