皮膚のしこり、もんじゃだめ


「皮膚にしこりができました」
というのは、動物病院ではよく聞く主訴ですが、
可能性としては、腫瘍か炎症か、それ以外か、というあたりがほとんどです。

ところで、皮膚にぷっくりと何かができた時、
気になっていじる飼い主さんというのも多いようですが、
あまりいじりすぎたりはしない方が良いです。

なぜなら、皮膚のしこりの中には、
触られる事で全身状態が悪くなる可能性のある
「肥満細胞腫」というものがあるからです。

肥満細胞腫は、細胞内にヒスタミンやへパリンなどの生理物質をたくさん抱えている細胞で、
それが腫瘍化していた場合、
揉まれる事で細胞内の顆粒が細胞外に放出される可能性があります。

すると、放出された物質によって体が影響を受け、
全身状態の急激な悪化を引き起こす可能性があります。

中でもヒスタミンなどが放出されると、
突然死を引き起こす可能性もありますので要注意です。

しこりができた場合、その大きさを確認するために、
ぐりぐりと触る人もいるようですが、
それにより思わぬ結果を引き起こす可能性がありますので、
しこりが見つかった場合は、あまり触らないようにして、
早めに動物病院で診てもらう方が良いです。

動物病院では、しこりを見つけたら、
まずは針を刺して、どんな細胞がそこにあるかを検査します。

肥満細胞腫は腫瘍の中でも珍しく、
細胞診で診断のつきやすい部類の腫瘍であり、
一方で、見た目だけではさほど悪くなさそうなものと見誤る可能性がありますので、
しこりの時は細胞診が必須です。

獣医師にとっても、しこりがあるからなんだろなと触診した後、
細胞診をしてみたら肥満細胞がごっそりできて来て、
肝を冷やすという事もあります
(うっかり触ってしまった後は、
 ショック予防のためにステロイドの注射をうっておくようにしています)。

もししこりを見つけたときは、くれぐれもあまりもんだりしないようにご注意ください。
見た目だけではだまされることもしばしばですので、
まずは早めの診察が一番ですね。


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