けっこう役立つサランラップ
先週、傷をきれいに治すためには、「湿潤療法」が大切だと書いてきました。
湿潤療法をするために、専用のフィルムや包帯材料、
ゼリーなどもあるのですが、
一番簡単で、かつ安価にできる方法は「サランラップ」を使う事です。
傷口にアイプクリーム(肉芽がきれいに盛る手助けをする薬)を塗っておき、
その上にサランラップを載せて、
そのうえからガーゼなどを置き、テープでとめておけば、
それで簡単な湿潤包帯になります。
上の画像は、小さな人工的な創傷を治す治療ですが
(症例の記事はまた別に書こうと思います)、
こういう傷と言うのは、乾燥させたり、こまめに消毒したりしてはいけない創傷の典型例です。
左の写真がラップを巻く前です
(手術後5日経過しているので、だいぶ上皮が入り込んでいます)。
そこにアイプクリームを塗っておき、サランラップを置いて、
上からガーゼを当て、テーピングをして処置は終了です。
皮膚の欠損部は、周りから上皮が入り込んで来てくれて、
そこを埋めてくれて治癒完了となりますが、
乾燥と消毒は、そこに入り込もうとする上皮細胞にダメージを与え、
治癒を阻害してしまいます。
きれいな肉芽の状態であれば、細菌感染には比較的強いです。
皮膚が欠損している場合は一応内服薬を処方しておく事が多いですが、
きれいな肉芽が育っていれば、アイプクリームとラップ療法だけでも可能です。
結合組織が入り込むと傷が汚くなってしまうのですが、
うまく上皮を再生させれば、
処置した方も感動してしまうほどにきれいに治ってくれます。
上皮で覆われた部位には、きちんと毛も生えて来ますので、
傷はほとんど分からなくなります。
サランラップは、時に、
きれいに治すためにとても良いアイテムになってくれるのですが、
欠点としては、
「えっ?サランラップですか?」
と、びっくりされかねないという事です
(人間でも、ラップ療法と言うのは、
メジャーになっている(?)ちゃんとした療法です)
皮膚に接着する様なフィルム包帯もあるのですが、
犬猫での難点は、毛が生えているので、
皮膚にぴたりと接着させる事が難しいという事です。
オプサイトフィルムなど、皮膚に張り付くような包帯を付けようとするときは、
傷の周りに「のりしろ」を作らないといけないのですが、
毛があるために、せっかく貼付けても、
ぺらりとめくれて来たりします。
サランラップは、上からガーゼを当てて巻けば、
とても使い勝手の良い治療法ではあります。
ただ、汚い状態で巻いて傷が感染に進んでしまったりすると、
えらい事になってしまう可能性がありますので、
注意しながら、獣医師に処置をしてもらう必要があると思います。
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