フィラリアの薬、飲んでいるはずなのに・・


今年も先日一頭、

「去年フィラリアの予防薬を飲んでいるはずなのにフィラリアにかかってしまった」

犬が出てしまいました。

採血をして抗原検査キットに血液を垂らし、
狂犬病の注射をしながら、
「今日はフィラリアの薬を何回分お出ししましょうか」
などと話していたのですが、
しばらくしてキットを覗き込むと陽性反応が出てしまっていました。

「フィラリアの検査ですが・・、ひっかかっちゃってますね・・。」
と言うと、飼い主さんもビックリ顔で、
「去年しっかり飲んでいたはずなのですけれど・・。」
と目を丸くしています。

1〜2年に1頭くらいの割合で、
"飲んでいたはずなのに感染している"
という子が出てしまいます。

錠剤でもジャーキータイプでも出ていますので、
どの種類が悪いとかいうことではないようです。
日本では幼虫の駆虫率が100%でないと
「フィラリア予防薬」としての認可はおりませんので、
おそらくフィラリア予防薬自体の効果の問題ではありません。

まず考えられるのは、

飲んでいたと思っていたけど飲んでいなかった

という例です。

飼い主さんの目の前で飲んでいたと思っても、
後で薬だけぺっと出していたり、胃の中のものを吐き出していたりすると、
薬が体に吸収される前に体外に出されてしまいますので、
当然薬は効かず、フィラリア幼虫が駆虫されなくて、
フィラリアに感染してしまう可能性が出て来ます。

もうひとつの可能性は、

お腹の調子が悪い時に飲ましたために、吸収がうまくされなかった

ということです。

どれくらいの可能性であるのかは分かりませんが、
お腹の調子が悪いと吸収能力も低下するかもしれませんので、
便が良くなくて効果が不安なときは、
お腹の調子が良くなってから投薬する方がベストだと思います。

今回の陽性犬は、ジャーキータイプを使っている子でした。
一般的には、ジャーキータイプの方がもぐもぐと食べてくれるので、
錠剤よりもぺっと吐き出す可能性は低いです。

きちんと飲んでいて吸収されていれば、
効かないという事はまずありませんので、
何らかの"効きを阻害する"要因がどこかにあったのだと思います。

ジャーキータイプのときは一応、

少しほぐして、ご飯と一緒にあげて下さい

と、吸収が良くなるように指示をしてはいるのですが、
何が原因で感染してしまったのかは結局不明ではあります。

飼い主さんの中には(時には獣医師でも)、
「きちんと投薬していれば感染しているわけないんだから、
 検査なんかする必要ないだろ」
と思う人もいるかもしれませんが、
なるべくしっかり抗原検査をしている獣医師からすると、
しっかりと飲んでいるはずなのに、時折陽性犬が出る
というのは事実ですので、
やはり投薬前にきっちり検査をしておく方が良いと思います。

今回の子に関して言えば、ミクロフィラリア(フィラリアのこども)は陰性で、
抗原検査(親虫の検査)だけが陽性でした。

予防薬を飲んでいると、もし感染して虫が成虫になった場合でも、
フィラリア成虫は不妊状態になる事が多いと言われているので、
ミクロフィラリアの検査の方では、
オカルト感染(仔虫のいない感染)の場合は、
フィラリア感染を見逃してしまいます。

去年薬を出しているからと、検査もせずに薬を出すと言うのは、
やはり危険であるという事は間違いないと思います。


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