恐ろしく苦い薬


薬にはいろんな種類がありますが、
その中には苦くてたまらないという薬もあったりします。
そういう薬はたいがい、糖衣錠という、
薬自体の周りを糖分でコーティングされた、
苦い味自体があまり感じにくい剤型になっています。

大型犬でぴったり一錠の投与量になるのであれば良いのですが、
動物病院で薬を出す場合、対象の動物の体重は人間よりもとても軽いですので、
たいていの場合、割ったりすりつぶしたりして用いる事になります
(ヨークシャーテリアに一錠、という薬はまずありません)。

恐ろしく苦い薬と言うと、
代表的なものだとメトロニダゾールという駆虫剤や、
ニューキノロン系の抗菌剤全般、咳止めのコデインなどがあります。

中でもメトロニダゾールは恐ろしく苦く、
前に試しで舐めてみたときも、あまりの苦さにすぐ吐き出してしまい、
うがいを何度もしても、ずっと苦さが口の中に残り続けたと言う恐ろしい薬です。

ところで、犬も、苦い薬は苦いと感じると思うのですが、
とても元気で食欲があり、本人の性格もとてもおおらか、
という場合、ものすごく苦い薬でも、
缶詰などと混ぜてもらった場合、
案外嫌がらずにぺろっと食べてくれたりします。

食餌を味わって食べているのであれば、苦いものが混じっていれば、
多少は味の変化にも気づきそうなものですが、
恐ろしく苦い薬でもぺろっと食べてしまうという事は、
苦みを嫌と感じていないか、味わって食べずに丸呑みしているかどちらかだと思います。

とはいえ、ちょっとグルメな気配の子に苦い薬を出すと、
とたんにぷいと横を向いて食べてくれなかったりしますので、
動物は苦い味は大丈夫、という訳でもないと思います。

そんな場合は、錠剤で割ったものを出すか、
おいしいものに混ぜてだましだまし飲ませてもらうか
(缶詰で団子を3つ作って、
 「薬なし団子→薬入り団子(中心部に埋め込むように)→薬なし団子」
 とすばやく食べさせるというのも手です)、
ということになります。

人間でも子供に薬を飲ませる時には、
けっこう苦労をする事もあるとは思いますが、
動物の場合は言葉も通じませんし、
嫌なものは頑として嫌という場合もありますので、
飼い主さんにも何とか飲む方法で頑張ってもらう事になります。

その子によってうまく飲める方法は違ったりする事もありますので、
試行錯誤になる場合もありますね。

獣医師とすれば、いつも出した薬をぱくぱくと食べてくれれば、
しっかり治療できるので助かるのですけれども。


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