治して恨まれること、治せずに感謝されること


 一口に病気と言ってもいろいろな種類の病気があります。ケガのような急に発症して予後の良いものから、腎不全のようなゆっくり進行して予後の良くないものまで様々です。当然治療しても結果が思うようにいかない症例もあります
 今がどういう状態で今後どう治療していくか、どうなる可能性があるか、それをしっかり飼い主さんにもお伝えしないと納得いただけません。
 ましてや相手は生き物であり、機械ではありません。
命に対して100%の予測はできません

 
インフォームドコンセントはやはり大切です。それがないと治療して病気が良くなっても、費用や日数面などで「こんなことだとは思わなかったのに」と言うことになる可能性もあります。
 逆にしっかり説明してご理解をいただければやるだけのことをやって結果が芳しくなかったとしてもご理解を得られることが多いでしょう。
 治療をしていく上で飼い主さんにご理解と納得をしていただくと言うことはとても大切なことです。病気のほとんどは獣医師だけでなく、
飼い主さんの力があってはじめて治療できるものです。

 僕達が相手にしているのはひとつひとつの命です。そしてその向こう側にはその命を大切に思っている飼い主さんがいます。
 飼い主さんは高度な医療で難しい病気を治してもらうことが目的で動物を飼っているわけではありません。ただ、
大切な家族とかけがえのない時間を過ごしたい、動物とともに幸せでありたい、それこそが一番大きな願いなのだと思います。

 ものすごい医者になるのは大変ですが、良いお医者さんになることなら可能です。
 病気が来たから治療して診察代をもらうのではなく、
飼い主さんと動物がより幸せに暮らしていけるお手伝いをする、そんな獣医師でありたいと思っています。

 そのためにはなにを目指して治療をしていくかという目標を飼い主さんと共有し、ともに喜びと悲しみを共有できる人間を目指したいです。


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