問診と三毛猫の性別


動物病院で初診の患者さんが来たときは、
まず最初の受付の時点でカルテを作らせていただきますので、
まずいくつか問診をして患者の情報をお聞きします。

名前と住所などの患者さんの情報以外に、
動物の種類と性別、過去の病気や手術、
ワクチンやフィラリア、ゴハンや飼育情報などを聞きます。

基本的には看護婦さんが聞いてくれますので、
僕は手が空いている時には、処置室の方から、
会話の内容を聞きながら、何で来ているのかなどということに耳を立てています。

ところで、時折は聞いていてつっこみたくなる会話もあったりするのが、
それはもう聞かなくても、聞く前から答えが分かっているだろ、
という質問だったりします。

例えば、品種が三毛猫ですと言われている状態で、
「性別はオスですか?メスですか?」
と尋ねたりするような質問です。

他にも、以前子宮蓄膿症だったとか、
前立腺肥大があったとか言われたら、それを言われた時点で、
聞く必要がない項目が出て来ますので、
そこらへんは臨機応変に質問をして行かなければいけません。

そう思いながら、この間も応対を聞いていると、
飼い主さんが三毛猫ですと言っているのに、
看護婦さんが「性別は?」と聞いていました。

あとでまた注意しておかなきゃなと思いながらカルテを受け取り、
診察室に入って猫を見てみると、なんと真っ黒な猫でした。

黒い猫にしか見えないので、
「この子は、三毛・・ですか・・?」
と、真っ黒な猫をぐるりぐるりと眺めながら尋ねてみると、
「以前別の獣医さんに、この子は三毛猫だと言われた」ということでした。

どう見ても黒い猫にしか見えないので、
「三毛猫というのは、白と黒と茶色が入っている猫なので、
 あまり三毛猫っぽくはないんですけども・・。」
と、やんわり(?)言っておきました。

診察が終わってから、看護婦さんと話をしていたら、
「あの子って、三毛ではないですよね。」
ということで、三毛猫と性別の事を知らずに聞いていたわけではないようでした。

ちなみに、知っている人も多いとは思いますが、
三毛猫はほとんどメスです。
というのも、染色体がXのほうに乗っている劣性遺伝で、
劣勢のXが二つそろうXXでないと、三毛に発現しないからです。

まれにXXYという、珍しい染色体になるとオスの三毛猫になると言われていますが、
その確率は3万頭に1頭とも言われているくらい、珍しいものです。

したがって、「三毛です」と言われたら、
「ではメスですね」というのが、恥ずかしくない答えです。

もっとも、この間のように、
三毛ですと言われて、全然三毛ではなかったら、
それはオスかメスか分かりませんけれども。


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