麻酔はtoEffect


薬と言うのはそれぞれ薬用量があるものですが、
麻酔に関しては、計算で求めた量を求めた分入れれば良い、
というものでもありません。

元気で若くて健康な動物と、老齢で病気の子では、
同じ麻酔を入れた場合でも効き具合は変わって来ます。

若い子では規定量を入れないと、
気管チューブを入れられる状態にならないという可能性も高いですが、
病気で弱っている場合は、規定量の1/3ほど入れると、
もうくたっとしてくる、という可能性もあります。

若い子でも、性格が激しい子とやたら大人しい子では、
麻酔の効き具合はずいぶん変わって来ます。

かといって、元気な子だからと麻酔を入れて行くと、
思わぬよく効いて来たりすることもありますので、
麻酔の効き具合は個体によってそれぞれです。

また不思議なのは、同じ動物でも、
麻酔を入れると、前回と今回では効き具合が違っている、
ということもあったりします。

麻酔の導入には、最近はプロポフォールという注射薬がよく用いられるのですが、
どれだけの量を入れるかと言うのは、
それぞれの症例によってそれぞれです。

規定量を計算して、その分を注射器に吸っておきますが、
麻酔導入剤の基本は、
「効いたらその時点で入れるのを止める」
ということです。

抗生剤など他の薬であれば、計算したら基本的に、
計算量を入れるのですが(腎臓病などは減量する場合もありますが)、
麻酔薬に関しては、計算した分をそのまま全量入れると、
"効きすぎる"という可能性がありますので、
効き具合を見ながら入れて行き、
気管チューブを入れられるまで効いて来たら、
その時点で止めなければいけません。

学生時代からよく言われる言葉ではありますが、
まさに、
「麻酔は『toEffect』」
であります。

大切なのは、安全にかけて、安全に覚ます事であり、
どの量が適量かは、それぞれの状態によって異なって来ますので、
それぞれの動物の状態に会わせて、
オーダーメイドで気をつけながら麻酔をかけて行きたいと思います。


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