帰ってそうそうの「まだ鳴くんです」


2~4月はネコの発情期です。
この時期になると、にゃあにゃあ鳴き始めたので、
飼い主さんが困って、手術して欲しいと言って来ることがしばしばです。

そうなると、
「一週間待って下さい」
となると、その間に飼い主さんがまいってしまうことになりますので、
時間を見繕って、急いで手術をする事になります。

そして、お預かりして手術をしてお返しをしたあとに、
また飼い主さんから電話がかかって来て、
「まだ鳴くんですけど・・」
と言われる事があります。

飼い主さんからすれば、避妊手術をすれば鳴き止むようになる、
とお考えだけに、帰ってまた鳴いているのを見ると、
「手術をしたのになんで??」
とビックリする事があるようです。

もしかしたら、
「まだ鳴いているなんて、ちゃんと手術してないんじゃないか?」
と思う人もいるのかもしれません。

もちろん、帰宅してしばらくすれば鳴かなくなるのですが、
帰ってすぐに鳴き止むようになるとは限りません。

というのも、メスネコが鳴くのはメスのホルモンの影響で、
発情行動を起こしているからなのですが、
ホルモンは、卵巣がなくなってもすぐに血液中からすっかりなくなるわけではありません。
手術をしても、その時点まで放出されていたホルモン自体はまだ
体に残っていますので、
それが体からなくなるまでは、脳はそのホルモンの影響を受ける事になります。

もうひとつの可能性は、ネコ自体が病院に連れて行かれて手術された事に対して、
「何かされたよ!」
と精神的なストレスを受け、そのせいで鳴いているという可能性です。

この場合も、日にちが過ぎれば、落ち着いてくれますので、
しばらく様子を見ておいてもらうしかありません。

だいたいあとから電話がかかって来るのは、
鳴いているメスネコを手術した場合ですので、
おそらくは残存ホルモンの影響なのだと思います。

そのため、発情していてにゃあにゃあ言っている、
という場合は、先に、

「手術をしても、今体に残っているホルモンがなくなるまではしばらくかかりますので、
 数日はまだ鳴くかもしれませんので」

と説明をしておくようにしています。

ただ、中には、事前に何も言っていなかったけれども、
実はちょうどにゃあにゃあ鳴いていた、という場合がありますので、
そう言う場合は、
「手術が終わってもまだ鳴いているんですが・・」
と電話がかかって来る事になります。

獣医師なら、ほとんどの人が経験のある事だとは思うのですが、
避妊手術をした後のネコはすぐに鳴き止むとは限りませんので、
それを知っておいていただきたいところです。


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