肛門嚢のしぼり方

動物病院で行う処置のひとつに、「肛門嚢しぼり」というものがあります。
あまり医学的な仕事ではないのですが、
飼い主さんの中には、「しぼり方がよく分からない」
とおっしゃる方も多いので、よく依頼される処置です。

慣れるとそれほど難しい事ではないのですが、
コツをつかみきれない場合、どうもうまくしぼれなくて
お悩みの方が多いようです。

僕の病院でのしぼり方を、参考としてご紹介します。



まず下準備ですが、まず必要なものはティッシュです。
これがないと、しぼったものがぴゅっと飛ぶ可能性があります。

僕は、ティッシュを、肛門嚢を絞る用と、
処置後にお尻を拭く用の2種類を前もって用意しています。

できれば、二人で協力しながら行った方が処置が楽です。
台の上に犬を立たせ、一人が頭の方を持ちます
(一人で小脇に抱えるようにしてもできます)。

しぼる人は、利き手の逆を尻尾にあてがい、
尻尾をそのまま上方に持ち上げます。
尻尾は、なるべく根元から持ち上げます。

尻尾を持ち上げると、肛門が後方に下がって来ます。
肛門嚢は肛門の斜め下にそれぞれついていますので、
肛門が下がって来るに伴って、後ろに下がって来ます。

尻尾を持ち上げていないまま肛門嚢を押しても、
肛門嚢は前方に押されるばかりで内容液は外に出てこないのですが、
尻尾を持ち上げることによって、肛門嚢は引き下げられた状態で固定され、
押された時に内容液が排出されやすくなります。

肛門嚢の袋は、肛門の斜め下の辺りを触ると、
溜まっていれば、ぽっこりと膨らんでいると思います。

肛門嚢を押す角度は、肛門の斜め下、
4時と8時の方向から、肛門めがけて、
上斜めに、両方を同時に押し上げる様な感じです。

溜まっている袋が確認できていれば、その袋の斜め下外側から、
肛門めがけて力をかける様なイメージです。

溜まっていれば、押された時に、
導管を通って、肛門の斜め下のあたりから、
ぴゅっと出て来ます
(出る瞬間を見ようとすると、顔にかかる可能性がありますので、
 ティッシュで覆ったまましぼって下さい)。

しぼり終わると、肛門嚢のぽっこりした部分は、
ぺったんこになって触れなくなります。

肛門嚢液が出てこなくなったら、
用意しておいた濡れティッシュでお尻を拭いてきれいにしてあげて下さい。

慣れていれば何と言う事はないのですが、
慣れないときに、手荒に扱ったりすると犬が痛がったりする事がありますので、
やさしくしてあげて下さい。

何度やってもできない、もしくは、ぽっこりしたものが触れない場合は、
自分で出していてたまっていない可能性もありますので、
ムキになってしなくても良いと思います。

もしくは、動物病院に連れて行って、
もう一度詳しくお尋ね下さい。


このHP内の文章、イラストの無断転載を禁じます。
著作権の一切は二本松昭宏に帰属します。
ライン

あなたのご感想を心からお待ちしております。

おなまえ(ハンドルでも)

メールアドレス(できれば)


性別

メッセージ・ご感想