獣医師とはなんぞや〜何のために働くのか〜
少し堅いタイトルになってしまっていますが、「獣医師とは何か」を考えることは、「命の大切さ」を考えることと共に、僕のライフワークとして持ち続けたいと思っています。
獣医さんと一口に言っても、いろんな獣医さんがいます。大動物の診療をしている人、小動物の診療をしている人、食肉検査や実験をしている人や、企業・公務員として働いている人、などなどです。
ここでは、小動物の医療に範囲を絞って考えます。
小動物臨床というのは、言うまでもなく、
一般の飼い主さんが飼っている動物が病気になったときに、それを治療する職業
です。
あまり深く考えなければ、「病気の動物を治療すること」が獣医師の目的であると考えてしまいそうですが、そうではないと思います。
全ての職業は、目的ではなく、手段として存在するものです
。
職業が成立していない段階では、社会の中で求められることがあったとしても、求められているものを成し遂げ、かたちにする人はいません。
社会が発展すると、求められているものを行おうとする人が現れます。そして、
それを専門に行い、そこから糧を得ることができるようになったとき、初めてその仕事が職業として成立するようになります
。
したがって、
職業にとっては、“社会が求めているもの”を満たすことが目的
であり、
職業はそれを満たすための手段
です。
職業に携わる人が、それを職業として生きていけるのは、その職業に対しての社会のニーズがあるからであり、社会がその行為に対しての報酬を与え、生活させることができるからでもあります。
社会が求めているものを満たすかたちで、職業というものが存在している
のです。
そして、獣医師という職業との関係で言えば、社会で暮らす人が望んでいるものは、「
大切な動物と幸せに生きていたい
」ということであり、獣医師に対して求めているものは、「
大切に思う動物と幸せに暮らせるように、その手助けをして欲しい
」ということであると思います。
獣医師として生きていくということは、
獣医師という職業が持つ目的から逸脱せず、職に携わる人間としてなすべき義務を果たす
ということです。
全ての職業は、社会との関わり合いの中で成立しています
。
獣医師という職業につく上で、他人との、社会とのつながりを無視して生きていくことはできません。
ただ、自分という人間が生きる上において、
自分が求めるものと、自分が大切にするものを自分なりに考えていく
ことは、職業が持つ目的とは別に大切なことであると思います。
僕が、個人として、最も求めているものは、「
自己実現
」です。
僕にとって、一番大切なことは、
自分の人間性や良心を大切にしながら、自分の知識や能力、経験を活かす
、ということであり、それを通じて
自分の人生を有意義なものにする
ということです。
僕は、仕事をする上でも、真摯に、精一杯とり組みたいと願っています。それは、
何よりも自分自身のための行為
です。
僕が一番大切にするのは、自分自身の人間性・良心です。
そう願っている自分が、獣医師として生きるということは、「
自分自身のために精一杯していることが、周りの人のため、社会のためになっている
」ということになってくれれば一番良いのではないかと思います。
僕は、獣医師として働いていますが、獣医師という職業そのものが担う目的を果たすためだけに生きているということではありません。
むしろ、
僕が自分自身のために生きていることが、獣医師という職業の目指すものと一致している状態でありたい
と願っています。
「他人のために働いている」という言葉は、常に義務感と欺瞞の疑いがついて回りますが、「自分のために働いている」のであれば、働くという行為は主体的なものであり、欺瞞的な感じもないからです。
この考え方は気にくわないという人も当然いるでしょうし、きれい事だと言う人もいるかも知れません。感想を送っていただければ幸いです。
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