除草剤と膀胱腫瘍


春です。
外に出てもだいぶ温かくなって来ましたが、
これから温かくなって来ると、雑草なども伸びて来るようになります。

そうなると、雑草駆除に除草剤も使用されるようになったり、
虫を殺すために殺虫剤が使用されるようになったりします。

除草剤や殺虫剤と言うと、まず思いつくのは「中毒」です。
僕の病院でも、忘れた頃に有機リン系やピレスロイドなどの中毒を疑う子がやって来ますので、
やはり中毒物質には気をつけていただきたいところです。

ところで、中毒以外にも化学物質によって起こる病気で心配なことはあります。
その病気とは膀胱腫瘍です。
意外な事に、本などにはよく、膀胱腫瘍の要因として、
殺虫剤や除草剤の事が載っていたりします。

化学物質が体に吸収されると、一部は尿の中に濃縮されて、
そこから排出されるのですが(排出方法は化学物質によって異なります)、
多量の化学物質が体に吸収されていると、
尿中に濃縮された化学物質はそれだけ膀胱粘膜を刺激することになり、
そこで腫瘍を誘発する事があります。

室内犬であれば接触の機会は少ないかもしれませんが、
室外で生活する事が多い犬だったりすると、
庭に除草剤をまいておいて、そこで自由にさせていたりすると、
体に多量の除草剤成分が吸収されてしまうことになりかねません。

また、自分の庭で除草剤を使っていなくても、
いつも行く散歩コースに除草剤などが撒かれていて、
日常的にそこで除草剤成分が吸収されているとなると
(自宅よりは頻度も回数も減りますが)、
やはり化学物質への暴露が増え、膀胱腫瘍のリスクは上昇する事になります。

化学物質には暴露されないに越した事がないという事ではありますが、
膀胱腫瘍のリスクを減らすには、
夜寝る前に尿をさせておいたり、あまり我慢させすぎたりしないように気をつけ、
膀胱粘膜ができるだけ化学物質と接触しないようにしておいた方が良いです。
膀胱に尿がたまっているということは、尿に出て来た物質が、
長時間膀胱粘膜と接触するという事です。

膀胱腫瘍もそれほど多くはないですが、
忘れた頃に見かける腫瘍であり、僕の病院でも時折見かける病気です。

これから初夏になって来ると、庭に除草剤をまいたり、
殺虫剤を使用したりする機会も増えて来ますが、
うっかり庭に蒔いて、そこで犬を放しっぱなしにしたりしないように注意してあげて下さい。


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