けっこう多い自己抜糸


手術をしたときは、皮膚を、ナイロンやワイヤーなど、
溶けない糸で縫う事が多いです。

糸は、だいたい10~14日で抜糸するのですが、
抜糸に来てもらって術部を見せてもらうと、
抜糸しようと思っていた糸が、いつの間にかなくなってしまっている事があります。

なぜ糸がなくなってしまっているかと言えば、
ほとんどの場合、自分で糸を引っ張って抜いてしまうためです。

動物にしてみれば、手術したという事と、
残っている糸の意味なんて分かってはいませんので、
お腹に糸がついていたら、気になってしまうようです。

動物は基本的に一日中暇ですので、
糸が気になった場合、ずっとそれを気にして舐めたり、
糸をくわえて引っ張ったりしようとするようです。

もちろん、気にして舐めている場合は、
エリザベスカラーを付けてもらうように、術後に説明はしているのですが、
飼い主さん自身も気がつかないうちに、
本人が糸を引っ張って抜いてしまう事が多いようです。

特に、ナイロン糸の場合、ワイアーよりも、
糸が引っ張られた時に結び目が緩まり、
ほどけて取れてしまいやすいようです。

抜糸に来た飼い主さん自身も、
自己抜糸をしていた事に気づいていない事も多いです。

僕がお腹を見て、
「あれ・・、どうやら自分で抜いちゃって、
 もう糸がなくなってしまっているみたいですね・・。」
と言うと、びっくりしたような、恥ずかしい様な表情になり、
そのまま帰って行かれる事も多いです。

術後すぐに抜いていれば、傷口がぱかっと開いて、
慌てて飼い主さんが連れて来るのですが、
傷がくっ付いてから糸が抜けた場合、
傷はすっかりきれいになっていて、糸だけがなくなっている、
という場合もしばしばあります。

糸の抜けた跡すら残っていない、という場合、
けっこう早い段階で抜いてしまっていて、幸い傷が開かなかった、
という可能性があります。

動物はなにをするか分かりませんので、
術後は、舐めたり、糸をかじったりしていないか、
飼い主の皆様にはご注意いただきたい所です。


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