医療と蛇と杖の話


けっこう知っている人も多いとは思いますが、
医療のシンボルにはしばしば「蛇」が用いられています。

蛇はどんなに表面が傷ついても、
脱皮をすると元通りの傷一つない姿に戻るという性質を持っているため、
再生と治癒のシンボルとされたからです。

よく大学や病院の紋章として良く用いられるのは、
「アスクレピオスの杖」という、
杖に一匹の蛇が巻き付いているものです。

アスクレピオスというのはギリシアの神様で、
アポロンの息子なのですが、
死者をも蘇らせる力まで身につけるようになった医者です。

死者まで蘇らせてしまうようになったことを迷惑がったハデスが、
「死者が冥界から出てしまうようになると、世界の秩序が乱れる」
とゼウスに抗議したところ、ゼウスは彼を雷を持って撃ち殺してしまいました。

その後、アスクレピオスは天に昇り、
へびつかい座となって神となったということです。

アスクレピオスは医療の神として、昔から信仰されているということで、
医療機具で有名な「エースクラップ」という会社の名前は、
アスクレピオス(セsculap)から来ているそうです。

そのアスクレピスが持っていたのが、
一匹の蛇が巻き付いたデザインの「アスクレピオスの杖」です(そのままですが)。

この杖は医療のシンボルとして、いろんなところで用いられています。

WHO(世界保険機構)
http://www.who.or.jp/indexj.html

米国医師会
http://www.ama-assn.org/
など、いろんなところで用いられています。

日本医師会のマークも、よく見ると蛇の様な感じです。
http://www.med.or.jp/

日本獣医師会は聴診器なので違うようです。
http://nichiju.lin.go.jp/index.php

ちなみに、デザイン的に混同されるのが、
ヘルメスの持っている「ケリュケイオン」という杖です。
こちらは杖に二本の蛇が巻き付き、その上に二枚の翼がついているというものですが、
商業のシンボルとして用いられているようです。

デザイン的にはこちらの方が人気があるのか、
軍隊の医療部などでは「medical caduceus」という名前で、
しばしばケリュケイオンの方が用いられているようです。

日本でも、防衛医大のマークはアスクレピオスの杖ではなく、
ケリュケイオンが用いられています。
http://www.ndmc.ac.jp/

蛇も一匹増量で翼までついていて、
ちょっとゴージャスな気分になるのかもしれないですね。


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