不景気でフィラリアの感染率が上がる?


先日AHTさんに患者さんのフィラリアの予防の状況をチェックし直してもらったのですが、
予想しているよりも途中でドロップアウトしている人が多い様子でした。

以前と比べると、ここ数年、
今年からフィラリアの予防を止めたという人や、
途中まで飲んでいてドロップアウトしたという人が、
増えているような気がします。

フィラリアと言うのは寄生虫ですが、
その感染環は犬と蚊を宿主とする事で成り立っています。

そのため、すべての犬が予防していれば、
蚊にフィラリアをうつす犬もいなくなり、フィラリアも数が減るのですが、
予防をしていない犬が増えると、フィラリアに感染している犬が増える事につながりますので、
感染犬の血を吸ってフィラリアを媒介する蚊も増えることになり、
結果として犬が感染するリスクも増える事になります。

だいたいの地域では、都会はフィラリアの感染率が低く、
そうでないところほど感染率は高い、
という事になっていると思うのですが、
なぜ都会が感染率が低いかと言えば、
飼い主さんの意識が高いために予防率も高く、
したがって地域の犬のフィラリア保有率も低いからです。

周りの犬がフィラリアにかかっていなければ、
その辺を飛んでいる蚊もフィラリアを持っていない可能性が高くなりますので、
予防をしていなくても、他の予防をしている犬のおかげで、
フィラリアから守られる可能性が高くなって来ます。

それが、予防をする人が減って来ると、
フィラリアにかかっている犬が増え、
その犬を感染源として、フィラリアをばらまく蚊も増える事になります。

フィラリアを予防しないのは、自分の犬を守らないという事だけでなく、
他の人や犬に迷惑をかける行為でもあるのですが
(刺された人の体内にもフィラリアが侵入する可能性がありますし、
 その頻度が最も高いのは当の飼い主さん自身です)、
予防しない飼い主さん自身はそのことを理解していないでしょうし、
どの蚊がフィラリアを持っているかも見て分からないですので、
大きく社会問題になるという事もなさそうではあります。

とはいえ、予防率が下がって行けば、
かつて感染率が高かった地域でもかかってしまう犬が出現し、
その犬を感染源として、また周りにフィラリアを媒介し、
と、再興感染症のような形で感染率が上がって来る可能性があります。

不景気になって来て、出費を避けたいという気持ちは理解できるところではありますが、
フィラリアは感染してしまうと、悲惨な結果に繋がることの多い病気ですので、
予防はしっかりしておいていただきたいと願います。


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