ハムスターの手術は将来への保険か


ハムスターと言うのは、なぜか腫瘍の良くできる動物です。
ウサギなどではたまにしかみないのですが、
ハムスターは体表のしこりが出来て来たという症例を良く見かけます。

ところで、ハムスターの腫瘍のときは、
早い目の手術を勧める事が多いのですが、
そこで聞かれるのは、手術代の事です。

ハムスターの腫瘍でも、麻酔をかけて手術を行いますので、
手術代はそこそこかかります。

犬猫の手術よりは格段に低い値段ではあるのですが、
それでも正直、ハムスターを買って来た値段と比べると、
何倍〜何十倍もする値段であるのは事実です。

手術代を告げると、結構な確率で、
"ハムスターにそんなにお金かける事になるのか・・"
という飼い主さんの苦笑いの表情が浮かびます。

ハムスターを飼っている家庭のほとんどは、
小学生くらいのお子さんが飼い主で、
何かしこりが出来たと言われて、親御さんが一緒に付き添って来る、
というパターンがほとんどです。

飼い始めた場合も、
「動物を飼いたいと言われたけど、
 ハムスターならまぁ良いか。」
と、そんなに深くない気持ちで、
数百円〜千円くらいのハムスターを購入して来た、
という場合が多いかもしれません。

しこりが出来たと言われて病院に連れて行ったら、
思いもかけず手術と言われて、
思いもよらない費用を言われたという事で、
"こんなはずでは・・"
と思われる親御さんもいらっしゃるかもしれません。

と、ここでハムスターにかかる費用の話をされて、
選ぶ選択肢はふたつです。

ひとつは、

・手術をしないよう子供に説得する

もうひとつは

・手術をする

という選択肢です。

ハムスターの手術はリスクは犬猫よりも高いのは事実ですが、
ハムスターだからといって麻酔をかけられない、ということもありません。

手術をしないよう説得すると言うのは、
ビックリされるかもしれませんが、実際あります。

「この子の寿命だよ、あきらめよう」
とか、
「手術なんてリスクあるからさ。」
とか言って、診察室で子どもさんに手術を止めるよう説得する親御さんというのも、
時折見かけます。

もうひとつの、手術をするという選択肢は、
子どもさんがなんとかしてあげて、と言って、
親の方が、
「まぁ、この子がそう望むのであれば・・」
と手術を決断するという感じの事が多いようです。

この間も、子供さんと一緒にやって来た飼い主さんのハムスターの腫瘍の手術がありましたが、
その時も術後引き取りにきたお父さんが、

「まぁ、子供の手前、"ダメ"って言うわけにもいかないですからね。」

とつぶやくように言っていました。

実際、動物を飼うという事は、
子供の情操教育、という意味合いも持っていると思うのですが、
動物が病気になってしまったときに、
治療しなかったり、治療しないように子供を説得すると言うのは、
場合によっては、最初から飼っていないというよりも、
教育上よくない可能性もあります。

もしそれで子どもさんが心に引っかかるものを持ったりして、
そのまま大きくなった時に、親御さんが病気になった時に、
「でもパパ、あのとき、ハムスター治療してくれなかったよね」
なんてことになったら、
お父さんは後悔する事になるかもしれません
(実際にあるかどうかは分かりませんが)。

もしかしたら、手術をしようと言う家族の場合、

「いいかい、大切な家族に何かあるときは、
 きちんと面倒を見てあげないといけないんだよ」

と言う言葉の裏には、

"だから、お前もオレの事、頼むよ・・"

というメッセージが込められている場合もあったりするかもしれません。

子どもさんが大きくなり、親御さんが老後を迎えた時に、
その昔ハムスターを手術した事を、
覚えていてくれるかと言うのは何とも言えませんが、
情操教育と言うのは、選択肢が出て来た時に、
どういう思いを持って、どういう選択肢を取るか、
ということが、ひとつの大切な事であると思います。

中にはハムスターの手術を断る飼い主さんもいますが、
将来、自分が老後を迎えた時に、
「あのときパパは・・」
と言われないよう、願うばかりです。


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