偽妊娠と避妊手術
犬の生理は、人間のものとはかなりメカニズムが異なる部分があるのですが、
その特徴のひとつに、発情期が終わってから、
黄体ホルモンが長期間出て、おっぱいが腫れて来たり、
行動が変わったりする、偽妊娠という時期が必ず来る、
ということがあります。
特に、発情期が終わってから、食欲がなく、
なんとなく様子がずっとおかしいということで病院に連れてこられ、
お腹をぱっとみてみたら、乳腺がぱんぱんに腫れていて、
ちくびを触るとミルクが出て来た・・、ということもよくあります。
偽妊娠の時期は、行動や性格も、かなりの影響を受けるようで、
なんとなく落ち着かなかったり、性格が変わったり、
巣作りを一生懸命し始めたり、ということもよくあるようです。
女性が飼い主さんの時には、偽妊娠の話をすると、
「あ〜、想像妊娠ですか」
などと納得される事も多いのですが、
人間の場合は、妊娠を強く意識している場合、
精神的なものから体が影響を受けるようです。
一方、犬の場合は、妊娠を望んでいるとか、
そういうことは多分ないと思いますので、
おそらくは、精神的なものではなく、ホルモン的なものなのだと思います
(犬がどう思っているかは、尋ねてみないと分かりませんが)。
人間の場合は、妊娠していないという事が判明すると、
自然に落ち着くそうですが、
犬の場合は、ホルモンが体の中から出ている限り、しばらく続きます
(だいたい1〜2ヶ月)。
偽妊娠は、病気というわけではなく、ホルモン的なサイクルによって、
程度は個体差があるものの、必ず雌犬には来るものです。
偽妊娠を予防するには、避妊手術をして、
卵巣を摘出するしかありません。
卵巣が体からなくなれば、黄体ホルモンが出てこなくなりますので、
発情期も偽妊娠も、もう来なくなります。
したがって、偽妊娠が強い子で、繁殖を望んでいない場合は、
偽妊娠が落ち着いた時点で、避妊手術をしておくことをお勧めします。
ただ、気をつけないといけない事は、
偽妊娠で乳腺がパンパンになっているときに手術をすると、
血中プロジェステロン濃度が急激に下がり、
そのせいで、乳腺組織の腫脹が永続的に残ってしまう可能性がある、
と言われている事です。
僕自身は、偽妊娠中に避妊手術をしたことがないので、
術後の腫脹の持続、というのを目にした事はないのですが、
お腹が張っている時に手術をすると、
下手すると術野にミルクが出て来る可能性もありますので、
乳腺の腫れが落ち着いてから手術をするに越した事はないと思います。
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