フィラリアの薬、年中投与の効果


フィラリアの薬を、いつからいつまで飲ませるかと言うのは、
地域によって違いがあります。

ところで最近は、「年中投与」として、
一年中フィラリアの薬を飲ませる事を勧める病院もちらほらあります。
僕の病院でも、"ごく限られた子"には年中投与を行っています。

フィラリアの薬というのは、

蚊からうつされたフィラリアの幼虫を、成長するまでに殺してしまう

ものですので、
投与期間の間、毎月しっかりと確実に飲ませているのであれば、
シーズン以外は、原則、飲ませる必要はありません。

シーズン以外に飲ませたとしても、
薬は効果を発揮する、「フィラリアの幼虫」はいないからです。

そのため、しっかり毎月定期的に飲ませていたのであれば、
年中投与と言うのは特に必要ではありません。

シーズンが終わったら、一旦薬を終了して、
来年のシーズンはじめに血液検査をして、
感染のない事を確認してまた新しいシーズン開始とすれば、
それで十分と言えば十分です。

ただ、年中投与を選んだ場合、シーズンのみの投薬に比べて、
いくつかの利点があります。

それは、

飲み損ないがあった場合のリカバー
フィラリアの検査が不要になる

というものです。

飲み損ないというのは、たまにあります。
僕の病院でも、抗原検査をマメにしていると、
1〜2年に一度は、
しっかり飲んでいるはずなのに感染してしまっている
という子が出て来てしまいます。

飲み損ないがあった場合、殺せなかった時のフィラリア幼虫と言うのは、
成長して感染となってしまう可能性が出て来るのですが、
そこでイベルメクチン製剤という薬で飲ませ続けると、
蓄積効果」によって、感染虫体が、
ぽろぽろと死んで行ってくれるという事が報告されています。

年中投与は、
飲み忘れがあった場合に、それをリカバーするという事が可能なので、
それがひとつの利点です
(そのためには、ミルベマイシンなどよりもイベルメクチン製剤の方が良いです)。

もうひとつは、「
血液検査がいらなくなる」という利点です。
シーズンの終わりで止めてしまうと、
また次のシーズンの始まりの時点で血液検査が必要となりますが、
冬もずっと飲ませ続けると、
「春先の血液検査」が不必要となります。

僕の病院でも、おこりんぼうさんで採血ができなかったりする子もいるのですが、
そう言う場合は、注射タイプにして半年ごとに注射をするか、
スポットオンタイプや飲み薬で年中投与にするか、
という選択をしてもらっています。

年中投与によるデメリットと言うのはとくになく、
強いて言えば飼い主さんの出費が増える
(病院からすると収入が増えるのですが)ということくらいですので、
予算が許すのであれば、年中投与というのも、
悪い選択肢ではないと思います。

とはいえ、圧倒的にそちらの方がお勧めされる、
という選択肢でもないだけに、
今のところは、「どちらでもいい」というのが結論なのではないかと思います。



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