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当院では、カラードプラー超音波診断装置を導入しております。
大学5年の時に超音波の勉強を志し、超音波の分野で高名な萩尾光美先生の研究室に入って以来、10年来の念願であった診断機器です。 |
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カラードプラー超音波では、内臓や心臓の構造などを、生体に負担をかけることなくしっかり見ることができるのに加え、カラードプラーの機能により、血液の流れもきれいに映し出すことができます。
血液の流れを見られることにより、カラードプラー機能無しでは見ることのできない血液の逆流やシャントを視覚的に確認することができ、特に心臓の検査には大きな効果を発揮します。
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←僧帽弁閉鎖不全の動画(クリックすると再生が始まります) |
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カラードプラー超音波は、心臓の検査にはとてもアドバンテージを持っています。
その一方で、超音波ではできないことも当然あります。
心臓の検査をするにあたっての、超音波の持つ長所と短所を述べます。
・長所
1.体への負担
超音波検査の持つ、他の検査と比べての大きな利点は、生体に対して負担をかけることなく、検査を行うことが可能だということです。
超音波診断装置は、プローブ(体に当てる部分)から、超音波を出すことによって検査を行います。
超音波は、体に対して害を与えることもなく、また痛みもありません。
そのため、検査は無麻酔下において行うことができます(検査内容と個体の性格によっては鎮静剤を用います)。
2.心臓疾患の特定が可能
カラードプラー超音波は、血液の流れを視覚化することができます。
そのため、血液の異常な流れ(逆流や狭窄、シャントなど)を確認することにより、心臓疾患の種類を特定することができます。
超音波以外で確定診断を付けようと思ったら、麻酔をかけ、心臓の中にカテーテルを挿入し、造影剤を流してレントゲンを撮影する、ということが必要になります。
麻酔をかけてカテーテルを挿入しようとすれば、それはどうしても体に負担がかかります。
また、心臓が悪い子に麻酔をかけること自体、リスクのあることです。
カラードプラー超音波なら、麻酔もカテーテルも必要なく、確定診断が可能です。
カテーテル法に比べ、体の負担、時間、金銭的負担などにおいて、大きな利点があります。
また、確定診断ができるようになるということは、超音波やカテーテル診断無しでは、「心雑音があるから、この子は何かの心臓病を持っていますね」とまでしか言えないのが、その原因が何かという、確定診断を下すことができるということです。
3.心臓疾患の重症度の評価
超音波検査で心臓疾患の種類を特定すると、心臓の弁や心房・心室の変形、心臓の運動性や流速の数値などから、心臓病の重症度を評価することができます。
心臓病の評価をすることができれば、予後を予想したり、治療への反応を評価したり、手術の必要性などを考えたりするための役に立ちます。
以上が、特に超音波検査で得ることのできるメリットです。
簡単に言えば、聴診器では、「心臓病がありますね」としか言えないものが、超音波検査をすることによって、それ以上のことが言えるようになる、ということです。
ですが、超音波検査にも、限界はあります。
それも合わせて書いておいた方がよいと思いますので述べておきます。
・短所
1.超音波で治療ができるわけではない
これが、超音波検査をする上で、とてももどかしいところです。
例えば、子犬で心臓病が見つかって、確定診断をつけ、重症度が分かったとします。
でも、だからといって、その診断がすぐに根本的な治療に結びつくとは限らないということです。
人間の医療であれば、心臓の弁を取り替えたり、心室を縫い縮めたり、究極的には心臓を入れ替えたりと、かなり高度で、医療費がかかるとしても、そういう治療がしばしば行われています。
でも、動物の医療では、なかなかそこまでできることはまれではあります。
一部の獣医師や大学病院では、心臓外科を行っているところもありますが、一般の獣医師が(うちも含めて)おいそれと手術できるわけではありません。
そのため、重症症例(特に一部の心奇形)で根本的治療をお望みの場合には、専門の先生と相談しながらそちらを紹介という形になります。
一般病院では、心臓疾患を確認した場合、内服でのコントロールが中心となりますが、他の急性疾患のように、スパッとすぐに治せる病気でないものが多いのが辛いところです。
2.ペイできない
動物病院側にとっての短所でしかありませんが、導入してから維持する費用に対して、検査で得られる費用は、通常どこの病院でも割には合いません。
維持費が高いからと言って、検査代を高くしたせいで検査をためらうようになってしまえば、せっかくの機械が宝の持ち腐れになってしまいます。
僕の病院でも、導入以来、毎月多大な赤字を出し続けています。
おそらく、これからもずっとそうです。
僕の病院の規模で、なぜカラードプラーを導入したのかと言えば、「どうしても導入したかったから」、これに尽きます。
それ以外にはありません。
心臓エコーは、僕にとっても、とても思い入れの深い分野です。
大学の研究室に入ってから、エコー班の3人で、雨の日も雪の日も、ずっと練習し続けて、互いに論議しあい、研鑽しあいながら、技術と知識を学んだ分野です。
誰にでも使いこなせるわけではなく、大学の授業ではエコーの使い方なんて、くわしくは教えてはもらえません。
せっかくがんばって導入したのだから、機械が最大限に活躍してくれるよう、僕自身もさらに精進していきたいと思います。 |
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