でべそと乳歯に気をつけて


動物病院で一番多い手術は、避妊と去勢です。
このときは、当然麻酔をしないといけないのですが、
その一方で、麻酔をかけないとできない処置を、
ついでに一緒にしておく事ができる、良い機会でもあったりします。

中でも、避妊・去勢の時に、一緒にしておくことができる処置の代表が、
でべその処置と乳歯の抜歯です。

でべそは、正式名称を臍ヘルニアと言うのですが、
お腹の中の脂肪などが、臍の所から皮膚の下に飛び出して来ているものです。

通常は、脂肪が少し出ているだけであれば、
特に健康面で問題となる事はないのですが、
腸などが出て来て、そこで閉塞になってしまうと、
命に関わってしまう事があります。
また、でべそがあると、美容上の問題として、
飼い主さんとしても気になったりする事が多いです。

乳歯の遺残というのは、特にトイ犬種で多いのですが、
乳歯が残っている場合、早めに抜いておく事が推奨されます。
永久歯が生えて来る時に乳歯が残っていると、
永久歯が本来の場所に生える事ができず、歯並びが悪くなったり、
二本並んでいる歯の間に、歯石がつきやすくなり、
若くして歯周病から歯を失う原因になったりします。

したがって、乳歯が残っている場合、
なるべく早期に抜いておく事が推奨されています。

避妊・去勢を考えていないのであれば、乳歯の遺残がある場合、
乳歯を抜くためだけに麻酔をかける事になるのですが、
避妊・去勢をするのであれば、麻酔をかけている間に、
一緒に処置をする事ができます。

したがって、避妊・去勢をする時には、
術前の健康診断で、でべそと乳歯の遺残の有無を確認しておき、
もし、それらがあれば、一緒しておくかという事を尋ねるようにしています。

別々に処置をするのであれば、
麻酔も2回かけなければいけない事になるのですが、
一緒にするのであれば、麻酔が一度ですみますので、
そちらの方が良いと思います。

というわけで、いつもでべそと乳歯がないか、
気をつけて見るようにしています。

見落としたまま避妊・去勢をしてしまった場合、
あとで飼い主さんが気づきいて連れて来て、
「これは処置しておいた方が良いですね。」
と言いながらカルテをひっくり返したときに、
カルテに"避妊・去勢済み"などと書いてあったりしたら、
がっくり来てしまいますから。


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