一般家庭でのブリードの是非
一般家庭での純血品種のブリードについては獣医さん、飼い主さん、ブリーダーさんによって意見が分かれるところだと思います。
それぞれの立場で考えてみると、
1.獣医さんにとって
獣医さんにとっては純粋品種かどうかは特に問題ではなく気にしません。獣医師の使命は飼い主さんと動物が幸せに暮らす手伝いをすることであり、純粋かどうかはその目的には影響しないからです。
2.飼い主さんにとって
自分の飼っている動物に子供を産ませてみたいということは素朴な思いだと思います。
動物に対する愛情もなく、裏庭などで小遣い稼ぎのためにブリード行為をしているいわゆる
バックヤードブリーダー
は欧米では特に軽蔑されているそうですが、そういう意図なしにお家のコンパニオンアニマルに子供を産ませる行為が悪いとは言い切れません。
3.ブリーダーさんにとって
ブリーダーは2種類に分かれます。
その品種に惚れ込み、その品質を高める意図を持った
シリアスブリーダー
と、
動物を商品としてしか見ず、人気品種を増やして売ることしか考えていない
パピーミルブリーダー
です。
その境目は
動物に対する愛情が
あるかどうかです。前者のブリード行為の根底にあるものは
動物に対する愛情と品質に対する責任感
ですが、後者にはそういうものはなく、求めるものは
金銭的な見返り
それのみです。
シリアスブリーダーは品種の欠点が出ないよう、慎重にブリードしていきますがパピーミルブリーダーは奇形や欠点などおかまいなしにブリードするため、シリアスブリーダーが
長い年月をかけて築き上げたものを一瞬でつぶしてしまいます
。
例えば現在レトリーバーブームで骨格異常を持った個体でもお構いなしにブリードされたため、日本国内で股関節形成異常を持った個体は全体の80%を上回るとも言われています。
まじめなブリーダーはそういうのを検査して合格した個体からしかブリードしませんが、金目当てのブリードをしている人たちはお構いなしでやっているためまじめなブリーダーは心底腹を立てているようです。
何も知らない飼い主さん達がそういう個体からブリードをすることによって
知らず知らず繁殖すべきでない個体の繁殖に手を貸してしまっている
のも現状です。
シリアスブリーダーは一般的に純粋品種の家庭でのブリードには良い印象を持たないようです。
ショーで認められる品種の特徴を守るべく彼らは精一杯とり組んでいるのですが、
飼い主さんが悪気無くもブリード行為をすることによって自分たちの築いてきたものが汚されるのを嫌う
からです。
ただ、一般家庭で生きていく分にはトップがどうの、体型がどうのといった性質はコンパニオンアニマルとしては関わりがないものです。
ショーなどで求められる品質が良いものかどうかよく分からないものもあります。
僕としては、この子は基準に満ちていないからだめなどというより、
その子をその子としてかわいがる
方が大切だと思います。
一般家庭でのブリードの是非の結論は決まっていません。
シリアスブリーダーの気持ちは良く理解できますが、彼らの主張する品質を守ることが絶対正義だとも言い切れません。
ショーでの「品質」と動物自体の品質はまた違うもの
です。ショーでは性格までは判断されません。ショーでいい成績を取ったコがたまたま性格に難があり、その性質を持った子孫ばかりがブリードされていったとしたら、それはまた別の問題が生じてきます。
僕としては、奇形や骨格異常などの不都合がないものであれば一般家庭でのブリードとショー向けのブリードは分けても良いのかなとも思います。
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