犬のシーリングシステムを用いた避妊手術

  シーリングシステムというのは、血管や組織を圧着・凝固させて出血が起こらないようにするための機械です。
 避妊手術に用いれば、より短時間で、安全に手術を行うことができるため、犬の避妊手術では、シーリングシステムを用いて行っています。
 エンシールという機械を用いていますが、これは確実に組織の圧着止血を行うとともに、一手間で切断も行うことができます。

 写真では、もう左側はシーリング・切断が終わっています。 
 
組織を分離し、シーリングを行う所を確認します。

  鉗子でシーリング・切断を行う所の下側を保持します。
 ここをつかんでおかないと、エンシールで切断を行ったとたんに、するすると組織が体内に入ってしまい、止血の確認ができなくなります。
 写真は卵巣堤索をシーリングしているところです。
  卵巣堤索に続いて、子宮動静脈をシールします。
 この後、子宮間膜もシールします。
  左右の卵巣の周囲の血管を切断し終わると、子宮体がフリーになります。
  続いて子宮体の部分もシーリング・切断します。
  卵巣・子宮が分離・切断されました。
 後はお腹を閉じて手術が終了です。
 皮下組織からの微量の出血はあったものの、 腹腔内からの 出血は皆無です。
  シーリングシステムを用いたときの利点は、早く手術手技を行うことができるようになるということと、出血を抑えることができるということです。
 糸を用いた場合、手前で一カ所、切断される側を二カ所結紮しますが、それがシーリングを1回行うだけで、同時に切断も行えますので、縫合を行う必要が無くなります。
 ダックスフンドなど、糸に対しての肉芽腫反応を示す犬種もありますが、シーリングシステムを用いた場合は体内に糸を残しませんので、肉芽腫反応の可能性も減らすことができます(腹膜と皮下組織は縫合が必要です)。