ペットフードの選び方


 結論としてはどれが一番と言うことは言えません。現在国内ではドッグフードで1800種類以上、キャットフードで1300種類以上が販売されており、その全てを把握することは不可能です。ただし、どれを食べさせるか選ぶときのポイントを簡単に述べたいと思います。

・用語
総合栄養食:ペットフード公正取引協議会の承認する給与試験の結果、総合栄養食であることが証明されている製品。水と総合栄養食だけで飼育が可能なものの証明。ただし最低限の品質を保証するだけで質の高さを示すわけではない
一般栄養食:総合栄養食に満たない、いわゆるおかず。これだけでは栄養基準を満たすことは出来ない。缶フードで表記されているものが見受けられる。
AAFCO(Association of American Control Official=アメリカ飼料検査官協会):「人間以外の動物にとって栄養学的に適切な食餌とは、特殊な製法により総合栄養食として与えられるように合成されたものを指し、水分以外の補助物質を必要としなくても生命を維持し、なおかつエネルギー生産を促進させる能力のある物」を選ぶ機関。AAFCOの基準は米国で一番規制力を持つ。
ただし、使用原料は規定されていても
品質の定義がないため、by-product meal(肉副産物粉)などと表示すれば、廃棄肉が混入しても法的には許される。
NRC(National Research Council/国立審議会):「栄養所要量」の基準値を公開している公的機関。どちらかというと研究機関の色合いが強い。
FDA(米国食品医薬品局):抗酸化剤などの使用量の安全値の範囲を指示したりしている機関。
コーングルテンミール:トウモロコシ粉末を精製過程ででんぷんとグルテン(タンパク質)に分けたときのグルテンの部分です。その他のアミノ酸やビタミン・ミネラルも含みます。
コーンスターチ:とうもろこしでんぷんの総称で白色の粉です。錠剤の成分としても使用されています。
ビートパルプ:甜菜(砂糖大根)から糖蜜をしぼったあとの残りです。食物繊維が豊富で便通をよくします。
大豆ミール:大豆から油脂を絞った後に出る部分です。消化が悪く消化管内ガスが増加し鼓腸症の原因となったり、亜鉛が少ないため毛並みが悪くなるとも言われています。
リコピン:トマトなどに含まれる赤い色素です。抗酸化力はβカロチンの2倍、ビタミンEの100倍です。
ルテイン:カロチノイドの一種で網膜に多く含まれ、人間では目にいいサプリメントとして使用されています。カロチノイドは抗酸化力を持つ物質です。
フラボノイド:植物により作られる色素化合物で、抗酸化力を持ちます。よく知られるものにタマネギのケルセチン、ブドウやカカオのポリフェノール、茶のカテキン、大豆のイソフラボンなどがあります。

1.ドライか缶か
 一般的にはドライフードを主体にしてあげた方がいいです。
ドライフードは咬んだときに歯垢をはがす効果もあり、歯垢・歯石もつきにくいですし、値段的も栄養的にもバランスがとれています。欠点は水分含有量が少ないので嗜好性に欠けることです。
 
缶フードの利点はおいしいことですが、値段は若干高価で、信頼の置けるメーカーのものを除いて栄養的に偏りが心配される部分もあります(特にビーフ100%とか、肉・野菜のぶつ切りが入っている物とか・・)。
 
半生タイプは両者の中間のような特徴を持っていますが、保湿剤の成分が発ガン性、糖尿病などの要因となりますのでお勧めできません。
 
ジャーキーは犬が喜んで食べるのを見て、飼い主が喜ぶための物です。栄養的には塩分、脂肪分が多く、主食には適していません。ジャーキーで総合栄養食と書いてある物もありますが、個人的には??です。総合栄養食という表記は品質の最低限を保証するだけであり、それを食べ続けたときに健康でいられるかは別問題です。ジャーキーばかり食べ続けていると病気になる可能性が高いので主食にするのは止めた方がいいでしょう。
 病気になって処方食を食べさせる必要が出たときに好き嫌いがあると治療も不可能になる場合があります。普段から好き嫌いの無いように育てましょう。一般的に
犬はそれしか無ければしょうがなしに出されたものを食べます。我慢していればおいしい物が出ると学習すると、頑固になってしまうことがあります。ご注意ください!(猫は頑として拒絶することもありますが・・・)

日米の市販フードの価格(円/乾物100g)(「イラストで見る犬学」より)
ドライ幼犬
ドライ成犬
ウェット幼犬
ウェット成犬
日本
112
76
603
475
米国
111
112
236
307
ちなみにホームセンターで売っていたものは880円/10kgというのがありました。100gあたり8.8円です!(定価は2780円/10kgでした)。
ベッツプランは1.5kgのものだと113円、6.5kgだと76.9円です。
アイムスの処方食レスポンスフォーミュラは1kgのものだと200円、6.8kgだと123.5円、13.6kgだと102円です。

2.エコノミーブランドかプレミアムブランドか
 ペットフードには流通の仕方により、エコノミーとプレミアムに大別されます。
エコノミーとは量販店で販売されることを目的としている物で、価格が安いのが特徴です。またパッケージを工夫して、「マグロたっぷり!」とか「栄養満点!」など、飼い主の目を引く包装になっています。また嗜好性を高めるために香りや味付けをしてあります。当然ながらパッケージ・食いつきは品質とは関係ありません。価格を抑えるために品質は最低限度となっているものが多いです。
 
プレミアムは価格よりも品質を重視していることが多く、対面販売をとっているため、ペットショップでの販売が中心となっています。

3.原材料について
 裏面の材料表記欄は多い材料の順に書くという基準があります(全体の8割以上の原材料を記すことになっています。残りの2割未満の分は記載されていない可能性もあります)。タンパク・炭水化物として何を使用しているか表記を見ればおおよそが分かります。ペットフードの考え方の一つに、
人の食肉で余った部分を有効利用するというものがあります。肉副産物と記載してあるときにはどこを利用しているかは分かりません。人用の食肉部分以外という意味です。
 またペットフードの原材料には、
材料の規制はありません(知らない人はビックリですね)。人で発ガン性が問われているものや抗生物質の含まれた肉、また4D(Dead(死んだ)、Dying(死にかけ),Disabled(不具),Desease(病気))といわれる肉など、何を使っても良いのが現状です。
 化学添加剤も規制はありません。欧米ではペットフードは飼料扱いですが、
日本では 飼料安全法や食品衛生法の対象外で飼料でも食品でもありません
 AAFCOの基準に従っていることが多いですが、原産国によっては他国で規制されている原料を使用していることもあります。
普通にうってるフードで添加物の無いフードはまぁ無いんじゃないでしょうか・・。酸化防止剤も通常使用してあります。そういえばドライフードは開封してからとても長い間持ちますね。ただし酸化防止剤を何も入れていないとフードの酸化の方が体には悪影響といわれています。
 驚くほど安いフードをたまに見かけますが、何使って作っているんでしょうね・・。選ぶとき、僕なら値段では決めません。それとよく分からないメーカーのよく分からない商品は買いません。
 米国では添加物に対する表示義務があるので記載されているが、日本には無いので輸入後ラベルから削除してい会社も多いらしいです。
 代表的な添加物を以下に述べます。

Ethoxyquin:
エトキシキン
EQなどとも書かれます。肝臓ガン,胃潰瘍、膀胱ガンなどを引き起こすことが報告されています。ゴムの安定剤、除草剤として開発され、現在では殺虫剤、除草剤、防カビ剤などに使用されています。枯れ葉剤の成分として知られる。使用禁止への指定が問われていますが、規制には至っていません。
米国でのペットフードへの使用規制は
75ppmまで、人では5ppmまでです。日本では人の食品への使用は一切認められていません。家畜用飼料としてはエトキシキン+BHA+BHT<150ppmまで認可(ペットフードにも摘要)。

BHA:ブチルヒドロキシアニソール
ペットフードによく使用される合成保存料です。BHAの摂取により胃ガン、膀胱ガンや胃の扁平上皮細胞に悪性腫瘍を引き起こすことが報告されており、このタイプの腫瘍は進行が早く致死率も高いとされています。その他、催奇形性もあることが知られています。
ヨーロッパでは、BHAの使用は禁止されています。日本では油脂(特にパーム油)、バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品、乾燥裏ごしいも、魚介冷凍品、鯨肉冷凍品など、人間の食品に使用されています。

BHT:ブチルヒドロキシトルエン
代表的な合成保存料のひとつです。BHT摂取により膀胱ガンを引き起こすことが報告されている他、肝臓・腎臓の機能障害なども起こる得ます。発ガンプロモーターとして、甲状腺ガンとの関連性も考えられています。
人の食品では油脂、バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品、乾燥裏ごしいも、魚介冷凍品、鯨肉冷凍品、チューインガムなどに使用されています。食品での規制濃度はBHAと合わせて合計
200ppmまでです。

プロピレングリコール
半生タイプのフードの保存料として使用されているが、赤血球破壊などの害や、肝臓、腎臓への障害が報告されています。

Sodium Nitrite :
亜硝酸ナトリウム
赤色着色料としても使われます。保存料として使用された場合にはニトロソアミンと呼ばれる強力な発ガン性物質を生じます。

4.輸入品について
 海外から輸入されたフードで安い値段で販売されている物は注意しておいた方がいいです。
正規輸入品は輸送の過程で品質が低下しないよう、温度・湿度に注意していますが、並行輸入品で他の荷物を運ぶついでに運んだ物は、コンテナの中で品質が劣化している事があります。ムシムシしたそれこそ人間が死んでしまうような環境で何日間も保存されて傷んでしまうわけです。正規輸入品にはきちんとラベルが貼ってあると思います。
 また日本に持ち込んでから詰め替え作業をしているものでは、その時に酸敗が起こる可能性もあります。ヒルズ、マスターフーズ、アイムスは米国でパックしたものを輸入しているとのことでした。

 今は昔と違い、人のゴハンをあげることは少なくなりました。昔だと塩分の取りすぎで腎不全になり、若くして死ぬことが多かったそうです。今はペットフードが昔より良くなったので寿命も延びました。健康管理には確実に貢献しています。
 一方でペットフードもネットで探せば、上に書いてあるより恐ろしい話はごろごろ見つかります。全く欠点のないフードを与えようと思ったら自分で手作りでするしかないかも知れません(労力がかかりますが)。要は利点と欠点をしっかり把握して、自分の目的にあった方法を選ぶことだと思います。
 それとネットの掲示板などでは怪しいデマ情報も数多く出回っています。情報を集めるときには注意しましょう。